おもかげテラスの完成記念イベントを実施します

県立博物館では、県民の皆様が屋外でさまざまな自然学習や文化体験ができるよう、博物館本館や栃木県中央公園の景観を生かした「おもかげテラス」を整備しており、10月下旬に完成予定です。

このほど、「おもかげテラス」の完成を記念して下記のとおり自然観察講座を開催します。

 

《おもかげテラス完成記念講座》

【第1部】中央公園の生きもの観察~土の中の小さな昆虫をさがそう

 土の中で暮らす昆虫を観察します。博物館のまわりでは、どんな昆虫が見つかるでしょうか。みんなで探してみよう。

【第2部】中央公園の植物観察~落ち葉を観察してMy植物図鑑をつくろう 

 「お気に入りの落ち葉をいろいろ集めたらわかったことをメモして自分だけの図鑑を作ってみよう

 

1 日時

 令和7年11月2日(日) 

 10:00~10:50 土の中の小さな昆虫をさがそう

 11:00~11:50 落ち葉を観察してMy植物図鑑をつくろう

2 場所

 栃木県立博物館 おもかげテラス(荒天の場合は研修室)

3 対象年齢、参加人数

 小学生から中学生(未就学児の参加も可)、小学生以下は保護者同伴 

 各回10名程度(第1部・第2部両方の参加はできません。

4 持ち物

 飲み物。当日の天候を確認いただき、防寒対策などをお願いします。

5 内容

(1)土の中の小さな昆虫をさがそう

 博物館の南東の林で土壌中に生息する昆虫類を採集して観察する。昆虫は数ミリの小さなものが多いので、顕微鏡を用いて観察する。昆虫がどんな種類で、どんな生活をしているか等を解説する。

(2)落ち葉を観察してMy植物図鑑をつくろう

 テラスのある敷地または中央公園の落ち葉について、葉の形(縁の鋸歯、脈、毛など)の特徴を、顕微鏡を用いて観察する。観察後、数枚をパウチして作製したMy植物図鑑は持ち帰ることができる。

6 申込み方法

下記のリンク先からお申込みください。(第1部・第2部両方の参加はできません。

栃木県立博物館 -Tochigi Prefectural Museum-

栃木県立博物館では、さまざまな自然学習や文化体験の場として活用するために「栃木県立博物館文化体験スペース」を整備しており、10月下旬に完成予定です。

来館された皆様に愛称に関する投票を呼びかけた結果、「おもかげテラス」が最多となりました。投票結果をふまえて「おもかげテラス」に決定することとしました。

投票いただいた皆様、御協力ありがとうございました。

※「おもかげ」:中央公園の面影広場・面影池に隣接した施設であることから名称に取り入れています。

【投票期間】 令和7(2025)年8月7日~8月31日

【投票方法】 博物館正面入口掲示板へのシール貼付及び講座受講者へのアンケート

愛称候補 投票数
わくわく体験テラス 120
ミュージアムテラス 99
おもかげ体験テラス 37
おもかげテラス 176

【完成予想図】

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2025年9月20日(土)に「キノコの観察会in中央公園」を開催しました。当日は小雨が降ったりやんだりとあいにくの天気でしたが、お子さんを含めた24名の方々が参加しました。

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「今回の観察会では、ただキノコを探すだけでなく、どのようにしてキノコは生きているのかを知ってほしい。」と担当の山本学芸員。参加者が見つけたキノコについて、名前だけでなく、「木の枝や葉を分解する」「昆虫に寄生する」「樹木と共生する」など、どのようにして生きているキノコなのかを説明しました。

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どんなキノコがあるか、散策中。

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カブトムシに似たにおいがするニオイコベニタケ。コナラなどと共生する菌根菌。

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ネンドタケモドキ。広葉樹の枝に発生し、枝を分解。

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シロツルタケ。テングタケの仲間。

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ツクツクボウシタケを丁寧に掘り出している山本学芸員。冬虫夏草類(昆虫に寄生するキノコ)の一種であるツクツクボウシタケは、中央公園内でよく見られます。

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ムラサキヤマドリタケ。

これ以外にも、たくさんの種類のキノコをみつけることができました。

参加者の皆さん、楽しんでいただけたでしょうか?

現在、栃木県立博物館では、テーマ展「恐竜の小部屋」(~11/3)、テーマ展「どーしたもんだろ 栃木の外来生物」(2F ロビーにて)を開催してします。

また、10/4から企画展「"異"常の色・形~時に思いが宿るもの~」が始まりますので、お楽しみに!

(自然課 三宅)

毎月第3日曜日は県博デー

2025年9月21日(日)、県博デーのイベントのひとつ、学芸員とっておき講座を開催しました。21名の方にご参加いただきました。ありがとうございました。

今回のテーマは、「とちぎの外来生物」。講師は、当館維管束植物担当の星学芸員です。

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まずは、「外来生物とは」から講座は始まります。

外来生物とは、「もともとその地域にいなかったが、人の活動によって他の地域から持ち込まれた生き物」のことです。他の地域とは、国外だけではありません。国内の他の地域から持ち込んでも外来生物です。

暖温帯から亜寒帯と3つの気候帯、平野から山岳地帯、火山地域や大きな川と起伏にとんだ地形とさまざまな自然環境が栃木県にはあります。

高山、雑木林、田んぼや水路、家の周り、河原と環境ごとに、そこに生息・生育する在来生物と外来生物が、スライドで次々と登場しました。

その一部をご紹介します。

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こちらは、日光の白根山のコマクサです。遺伝子解析の結果、宮城県の蔵王山から持ち込まれたコマクサであることがわかっています。つまり、他の地域から持ち込まれた外来生物。同様に、前白根山に、群馬県草津白根山から持ち込まれたコマクサが確認されています。

人家の周りに目を移すと、ヒメジョオン、シロツメクサ、セイヨウタンポポなどたくさんの外来生物がふつうに見られます。

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最近、歩道などで見かけるようになったアメリカオニアザミです。

体中、鋭くてかたいトゲがあります。葉の上にもトゲがあるのが、アメリカオニアザミの特徴です。うっかり触るとケガをするので、注意が必要な外来生物です。

増えると厄介な外来生物。拡大を抑えようと、宇都宮市内の水路で行われたアマゾントチカガミの駆除活動の話もありました。

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1度の活動では駆除できません。毎年、ボランティアの方々の協力を得ながら活動を続けています。

現在、博物館では、テーマ展「どーしたもんだろ とちぎの外来生物」を開催しています。栃木県に生息・生育する代表的な外来生物、外来生物対策について紹介しています。

ぜひ、博物館へ足をお運びください。

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テーマ展「恐竜の小部屋」(11/3まで)も開催中。 

10/4(土)からは企画展「〝異″常の色・形~時に思いが宿るもの~」が始まります。

お楽しみに!

(自然課 猪狩)

キッズツアー「お米のはなし」を行いました

みなさん、こんにちは!

9月も後半になるとやっと朝夕涼しくなってきましたね。田んぼを散歩すると稲刈りの光景を見ることができると思います。

9月21日の県博デー、博物館ではキッズツアー「お米のはなし」を行いました。

当日の様子を少しご紹介します。


今年になってテレビや新聞でお米の話題がとり上げられることが多いですね。今回は皆さんにそんなお米に関する話を紹介しました。

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お米は小麦、トウモロコシと並んで世界三大作物の一つです。日本ではふっくらとつやがあり、もっちりした食感のジャポニカ米を食べています。世界的にはお米全体の2割くらいなので少ないグループになります。世界のお米料理を紹介しました。

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栃木県はお米の生産が全国8位と米どころです。知っていたかな?どうしてなのか考えてみました。

昔にくらべて田んぼの面積が3割も減っています。お米を食べなくなったり、農家さんの高齢化など問題点をお話ししました

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展示室に移動して弥生時代のムラのようすや江戸時代までお米が税金や武士の給料だったことを紹介しました。

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最後に田んぼの役わりとそこに住む動物たちのかかわりあいについてお話ししました。どうすればたくさんお米を収穫(しゅうかく)して自然も守れるのか考えてもらいました。むずかしい問題ですが、これからご飯を食べるときや田んぼを見たときに思い出していただけるとありがたいです。

参加してくださったみなさん、ありがとうございました。


次回のキッズツアーは、10月19日の日曜日(県博デー)「考古学のココが面白い!」を行います。

むかしの時代のおもしろいところを紹介します。 (予約不要です)

みなさまのご来館を、心よりお待ちしております!

  教育広報課 解説員 相子

教育広報課 解説員

みなさん、こんにちは!

今年は猛暑が続いて9月になってもなかなかその勢いが衰えませんね。暑さに負けずに元気にお過ごしください。

9月14日、博物館では博物館でやってみよう「まゆ玉でお月見うさぎをつくろう」を行いました。

当日の様子を少しご紹介します。


十五夜は旧暦8月15日に満月を楽しみながら農作物や草花をそなえ、秋の実りに感謝する行事です。平安時代に人びとに広まりました。

今回は、まゆ玉で月に住むといううさぎの置き物をつくってもらいました。

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受付でまゆ玉とその他の材料を受け取ります。

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作り方を見ながら台紙に月をはって、お月見で思い浮かぶ自分だけの絵をかきましょう。

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まゆ玉に顔をかいてしっぽをつけて...どんなうさぎさんになったかな?

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台紙にのせたら完成!

かわいらしくできたかな?お月見でかざってね。

ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。

教育広報課 解説員

8月23日土曜日、真岡市にある宇都宮大学農学部附属農場にて

宇都宮大学農学部の早川先生を講師にお迎えして行いました。

残暑が非常に厳しい中、12名の方が参加してくださいました。ありがとうございました!

当日の様子を少しお伝えいたします。

まず農場内にある森に移動して、森の中の土を観察していただきました。

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森の土の上を歩いた感触はどうでしょうか?ふかふかしていますね。

次に、土の中にいる生き物を探してもらいました。落ち葉をどけて土を探ってみると・・

ミミズ、アリ、ムカデの仲間たちがうじゃうじゃ。びっくりして声をあげる参加者もいらっしゃいました。

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土壌動物を専門とする南谷より

これらの小さな生き物が落ち葉等を食べてウンチをし、積み重なったものがふかふかの土になる。

自然界にとって大切な役割があるといった話がありました。

この後は、いよいよ田んぼに移動し稲の観察をしていただきました。

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農場の田んぼでは、異なる肥料の使い方で育てられた稲が3種類あります。(化学肥料を使用、堆肥を使用、化学肥料・堆肥不使用)

田んぼを観察し、稲を一株抜く体験もしてもらいました。

稲は、田んぼの土にしっかり根をはっていました。抜くのが大変でしたね。

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また、堆肥で育てた稲と化学肥料・堆肥を使わずに育てた稲を並べて、背の高さや米の粒の数を観察しました。

堆肥で育てた稲の方が背も高く、お米の粒が多いことがわかりました。

ここで注目してもらいたいのは、化学肥料・堆肥を使わなくても稲が育つことです!

ただし収穫量は、化学肥料で育てた稲の半分程度です。

そのため、化学肥料がなかった時代は、お米を作るために今よりもたくさんの田んぼが必要だったということです。

日本中が今より田んぼが多かったことでしょう。

また、今回観察会に利用させていただいた田んぼで作られている稲の株数を、宇都宮大学の早川先生より教えていただきました。

すると、ちょうど参加者とスタッフを含めた人数分になることがわかりました。

参加者にお伝えすると、思ったよりも小さい!広い!など様々な感想が聞かれました。

まとめに、岩石鉱物担当の吉田から、

お茶碗一杯に必要な米の粒数や株数、一年間で食べるお米を育てるためにはどれくらいの面積が必要なのか、といった話でしめくくられました。

改めて、稲のありがたさ、農家さんの苦労や田んぼの大切さを感じることができたかと思います。

その背景にあるのは、土。

私たちは、小さな生き物たちが作り出す自然の恩恵を受けているのです。

(自然課 薄井)

現在、栃木県立博物館では、県民の皆様が博物館でさまざまな文化体験や自然学習ができるよう、博物館や中央公園の景観を生かした「テラス」を整備しています。

このテラスの愛称について、皆様のご意見を参考にしながら決めていきます。

本年8月末まで、栃木県立博物館の玄関ポーチに、愛称候補を掲示しています。

博物館にお越しの際には、ぜひ、「これがいいな!」と思う名称の横に、シールをお貼りください。

よろしくお願いいたします。

みなさん、こんにちは!

危険な暑さが続いていますが、いかがお過ごしでしょうか?

8月17日の県博デー、博物館ではキッズツアー「恐竜だけじゃない!!古生物ファイル2025」を行いました。

有名な恐竜の他にも生きていた、大昔の生き物たちを紹介しました。

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今回紹介したのは、6億年前から1905年までの動物たちです。

中には、写真で紹介しているディッキンソニアの様に、動物かどうか分からない生物もいました。

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生き物を調べれば、すごい事が分かることがあります。

上の写真で紹介したメソサウルスの発見で、大昔、大陸が1つだった事が分かった例もあります。

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絶滅の原因もさまざま。自然環境の変化や人間の活動によるものもあります。

どんな生き物も永遠に生きる事はできないのですね。

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博物館には展示室1や展示室2に、恐竜の他にもたくさんの古生物の化石があります。

お家でも、図鑑などを開いて「恐竜以外にもこんな生き物がいたんだ!」と見つけてもらえるとうれしいです。

次回のキッズツアーは、9月21日(日)の県博デー、「お米のはなし」を行います。

日本人とかかわりが深い、お米の、いろいろな事を知ってみましょう!(予約不要)

教育広報課 解説員