2024年10月20日(日)13時半から講堂にて、学芸員によるとっておき講座「とちぎのキノコ図鑑」を開催しました。担当は、現在開催中の企画展「とちぎのキノコ」を手がけました山本学芸員です。

 今回は県外からの参加者も含め、延べ66名の方々にお集まりいただきました。ありがとうございました。

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 はじめに、栃木県産キノコの調査の歴史から。調査は古くは明治時代から行われ、白井光太郎博士とヘニングス博士によって新種記載されたマンネンハリタケを紹介しました。

 また、1993年~1999年に行われた栃木県自然環境基礎調査では、840種のキノコ類が確認され、標本として残されています。ちなみに県立博物館では、2024年現在で約1100種の栃木県産キノコの標本が収蔵されています。

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 次に、これまでに出版された栃木県産キノコ図鑑について紹介。

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 そして、上記の図鑑の足りない部分を補いつつ、ごく最近記載されたものや地下生菌、冬虫夏草を含む780種が掲載された「栃木のきのこ新図鑑」が紹介されました。この図鑑はこの夏出版されたものです。

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 そして、この図鑑に掲載されているキノコを紹介しました。

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 そして最後に、「信頼できる図鑑の基になるのは、データを伴った標本です。今後も地域の皆さんや栃木県きのこ同好会会員と協力して、標本の蓄積していきたい。」との山本学芸員の言葉で締めくくりました。

 その後の質問タイムでは、「毒キノコの胞子には、胞子自体にも毒はあるのか」「マツタケの栽培ができない理由は?」などの質問があり、それぞれについて山本学芸員が丁寧に答えてました。

 栃木県立博物館では、現在企画展「とちぎのキノコ」(~11/4)を開催中です。またテーマ展「栃木の畑作~麻・麦・かんぴょう〜」(~11/10)、「ヘビなんて、キライ!」(~3/2)、「植物画の楽しみ~絵で感じるボタニカル今昔~」(~11/24)も同時開催で見ごたえ満載ですので、ぜひご来館ください。

(自然課 三宅)

みなさんこんにちは!

秋らしい気温になってきましたね。中央公園の紅葉が楽しみですね。

さて、10月20日の県博デーにキッズツアー「わくわく!昆虫クイズ」を行いました。

その様子を紹介します。


今回のキッズツアーは「昆虫」クイズ。まずは皆さんと昆虫について学びました。

この四種類の昆虫を見て、あしがちゃんと6本なことを確認しました。

一本一本あしの数を数えてくれた子もいました。

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クイズが始まると、皆さん一生懸命に考えてくれていました。

AかBか、どちらが答えか当てるクイズでプラチナコガネの問題などを出しました。

この問題は、AかBかどちらかわかりますか?

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正解はBの見つかりにくいです。

他にも色々なクイズを出しました。

ヒントを出すと、皆さんよく耳を傾けていました。

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それ以外に、昆虫に関する知識を学んだり、写真のどこに昆虫が隠れているかを探してもらいました。

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最後に参加賞として、箱の中のお土産を一人一個ずつ引いてもらいました。

中身は昆虫のストラップでした。気に入ってくれたかな?


キッズツアーに参加してくださった皆さん、ありがとうございました。

次回のキッズツアーは11月17日「身近な鳥のゆかいな日常」です。

ぜひご参加ください。

教育広報課 解説員

博物館でやってみよう「昔のくらし体験①昔の道具」

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こんにちは。

気温が下がり、秋らしくなったかと思えば、日の光がサンサンと照らして、また暑くなったり、寒暖差が激しい日々

が続いています。

皆さま、体調を崩されませぬように、お気をつけください。

さて、去る10月13日(日曜日)に、当館では博物館でやってみようの企画で、昔の道具に触れていただくイベントを

催しました。

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石臼と薬研(やげん)・火おこし器を体験していただきました。

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石臼では大豆をすりつぶし、きな粉に変えるプロセスを体験していただきました。昔の人はこうして硬い材料を粉砕(ふんさい)して、

食べられるようにしていたのですね。

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同じくすりつぶす道具として、薬研も体験していただきました。薬をつくるのに使われた道具で、有名なアニメやドラマにも

登場しました。

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最後は火おこし器です。実際に使われる機会は少なく、多くの人は火打石を使って着火していました。

たくさんのお客様に参加していただき、「楽しかった」「勉強になった」などの、うれしいお言葉をいただきました。

今後も博物館は楽しく学べるイベントを、開催してまいります。ぜひお越しください。

次回の博物館でやってみようは、11月10日(日)開催の「触れる展示のお話」です。

資料に触れる貴重な機会です。こちらは予約不要です。

ご期待ください。

                                           解説員 北村 相子

企画展「とちぎのキノコ」入館者が、10月11日(金)に3万人に達成しました。

3万人目のお客様は、芳賀町からお越しくださった、宮本さんご家族です。
お子さんの「恐竜を見にいきたい」をきっかけに、博物館に足を運んでくださいました。
ご家族で山登りに行くときには、キノコ探しも楽しまれているそうで、企画展にも興味をもっていただきました。

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当館の琴寄館長と、とちぎテレビの須藤社長から記念品が贈呈されました。

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みーたんと記念撮影

宮本さんご家族には、突然のイベントにご参加いただき、ありがとうございました。

企画展「とちぎのキノコ」は、11月4日(月)までとなっております。
*関連行事
・学芸員とっておき講座 「とちぎのキノコ図鑑」 
 講師:当館学芸員 山本航平
 10月20日(日) 13:30~15:00

テーマ展「ヘビなんて、キライ!」、「栃木の畑作~麻・麦・かんぴょう~」、「植物画の楽しみ~絵で感じるボタニカル今昔~」も開催中です。

(自然課 猪狩)

2024年10月6日(日)14時~企画展展示室にて、企画展担当の山本学芸員による展示解説を行いました。延べ46名の方々にご参加いただきました。

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 まずは菌類の話から。菌類の仲間にはキノコになるものやカビのようなものがあること、それらの増え方や栄養の取り方について山本学芸員が例を挙げながらわかりやすく説明しました。

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 次にとちぎで見られるキノコについて。毒キノコや食べられるキノコについて、展示されている標本や写真パネルを用いて解説しました。これは参加者の方々は特に興味があったようで、皆さん標本や写真パネルに近づいて見たり、写真を撮ったりしていました。

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 さらに季節や場所によって生えるきのこを紹介。「シャカシメジは今年たくさん出ています」とか「カンゾウタケはスダジイの林に出るキノコで、マリネなどにして食べるところもあります」などの話を交えながら解説しました。

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 そしてとちぎで発見されたキノコやご当地キノコを紹介。学名にnikkoensisとつく日光で見つかったキノコや昭和天皇が発見されたアカヒトデタケを紹介しました。またアスパラガスの畑に生えるマッティロロミケス・テルフェチオイデスについて「これは甘いキノコです」と山本学芸員が説明すると、「食べたことありますか?」と参加者から質問がありました。(山本学芸員は食べたことがあるそうです。)

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 最後に「博物館にある標本は、キノコに興味のある県民の皆さんの協力によって集められています。もし面白いキノコが見つかったら、ぜひ博物館にお知らせください。」との山本学芸員の言葉で締めくくりました。

 栃木県立博物館では、現在企画展「とちぎのキノコ」(~11/4)を開催中です。

 またテーマ展「栃木の畑作~麻・麦・かんぴょう~」(~11/10)、10/5から始まりましたテーマ展「ヘビなんて、キライ!」(~3/2)、「植物画の楽しみ~絵で感じるボタニカル今昔~」(~11/24)も同時開催で見ごたえ満載ですので、ぜひご来館ください。

(自然課 三宅)

みなさんこんにちは。最近は朝晩と冷え込むようになりました。お体に気を付けてお過ごしください。

9月21日(土)に博物館でやってみよう「キノコペーパースタンドをつくろう」を行いました。

その様子を紹介します。


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まずキノコを選びます。今回はチチタケ、ドクツルタケ、アカヒトデタケ、ベニテングタケの4種類があります。

どのキノコがいいかな?

次にキノコに色を塗ります。本物そっくり塗ることも好きな色に塗ることもできます。

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見本はこちら。左からチチタケ、ドクツルタケ、ベニテングタケ、アカヒトデタケがモデルです。

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どんなキノコになるかな?


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最後に黒線に沿って切り、キノコを折り曲げたら完成。

アカヒトデタケは細かいため、少し切るのがむずかしいかもしれません。

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オリジナルのキノコはできたかな?


ご参加いただいた皆様ありがとうございました。

次回の博物館でやってみようは10月13日(日)「昔のくらし①~道具編~」です。

こちらは予約不要です。ご参加お待ちしております。

教育広報課 解説員

 2024年9月15日(日)県博デーイベント・とっておき講座「闘う昆虫たち」を当館研修室にて開催しました。今回の講師は、永嶋学芸企画推進員です。

 昆虫好きの小さなお子さんからご年配の方々まで、延べ51名の方にご参加いただきました。

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 はじめに、闘う昆虫について紹介しました。例えば日本のカブトムシは、頭の角を相手の身体の下に入れて持ち上げてたたかう、コオロギは音を出して自分の縄張りを主張したり相手を威嚇したりと、その昆虫によって闘い方も様々です。

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 また闘う習性を利用した「昆虫相撲」は、日本をはじめとして、中国やタイで行われていることを紹介しました。

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 昆虫は、エサ場やメスを巡っての争いだけではなく、自分の身を守るための闘い方もします。ここではいろいろな方法で身を守る昆虫たちについて紹介しました。

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 最後に、「昆虫たちは、いろいろな知恵を働かせて身を守り、子孫を残すために、日々闘っている」という永嶋学芸企画推進員の言葉で、講座が終了しました。

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 講座終了後、永嶋学芸企画推進員が標本を見せると、子供たちが集まって熱心に見たり質問したりと、とても楽しそうでした。

 栃木県立博物館では、現在企画展「とちぎのキノコ」(~11/4)を開催中です。またテーマ展「世界の!栃木の!!コガネムシ~カブトムシだってなかまだよ~」(~9/23)、「武士の装いー館蔵刀剣武具展―」(~9/23)、「栃木の畑作~麻・麦・かんぴょう~」(~11/10)も同時開催で見ごたえ満載ですので、ぜひご来館ください。

(自然課 三宅)

みなさんこんにちは。

9月も半分ほど過ぎましたが、まだまだ暑い日が続きます。お体にお気をつけてお過ごしください。

9月15日の県博デーでキッズツアー「縄文時代ってどんな時代?」を行いました。

その様子を紹介します。


みなさんが土の中を掘っていたら土器が出てきました。それはどれくらい古いものでしょうか?

「古さ」を調べる時、それが地面のどこから出てきたのかが重要になります。

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地面は長い時間をかけて様々なものが積み重なってできています。古い地面は下に。新しい地面は上に。つまりより古いものは下の方から見つかります。

火山灰が見つかることもあり、それも年代を考えるヒントになります。

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次に黒曜石のはなしです。

みなさんは黒曜石と聞いてどのようなことを考えましたか?

最近はゲームに登場するため「硬い」「黒い」という印象を持つ方が多いと思います。

実際には黒曜石の硬さはだいたいガラスと同じ硬さです。また、色は黒はもちろん茶色が混じったものや、灰色のものがあります。地域によって見た目が異なるので是非観察してみてください。


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最後に土偶のはなしです。

土偶は地域や時代によって大きく見た目が変わります。

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モニターに映っているのは「ミミズク土偶」といわれている土偶です。この土偶から当時の人がどのようなものを身に着けていたかを考えることができます。

耳についている大きい部分は耳栓(じせん)といい、耳につけるピアスのようなものです。かなり大きいものも見つかっているため、耳たぶはかなり大きくなっていたのでしょう。

よく観察してみると、所々赤くなっている部分が見えます。なぜ土偶を赤く塗ったのでしょうか。不思議ですね。


キッズツアーに参加してくださった皆さま ありがとうございました。

次回のキッズツアーは10月20日「わくわく⁉昆虫クイズ」です。

どうぞおたのしみに!!

教育広報課 解説員

秋のキノコ観察会

2024年9月14日(土)、博物館のお隣、中央公園にて、秋のキノコ観察会を行いました。
講師はもちろん!当館菌類担当の山本航平学芸員です。

街中の公園でキノコは見つかるのでしょうか?

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ここは、コケが生えて湿気が多めな場所です。
(よくキノコが生えているので、きのこロードとこっそり呼んでいます)
ベニタケ属やアセタケ属などのキノコが見つかりました。このキノコたちは、シラカシと共生しているキノコで、「共生菌」と呼ばれます。キノコと共生するのは、シラカシのようなブナ科やカバノキ科、マツ科の木です。木の種類を覚えると、キノコが見つかりやすくなります。

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落とし物を探すように、公園の中を歩きます。
植え込みの下などにもキノコがかくれています。
子どもたちが、小さなキノコをたくさん見つけて「キノコがありました!」と元気な声で教えてくれました。

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落ち葉がふかふかと積もっている場所では、木や落ち葉を腐らせる「腐生菌」のキノコが見つかります。今回は、ヤマジノカレバタケ、エリマキツチグリ、サクラタケなどが見つかりました。

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こちらは珍しいキノコonキノコ。
ワサビカレバタケの奇形で、かさが二重になっています。

ご参加いただいた28名の目で、50種以上のキノコを見つけることができました。
同じ場所でも季節によって見られるキノコは違います。
また、今回のような公園と山では、やはり見られるキノコは違います。水の中に生えるキノコもあるんですよ。


「もっとキノコが知りたい」と思ったら、
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ちょうど、栃木県立博物館で「とちぎのキノコ」という企画展が開催中。
11月4日(日)までとなっておりますので、ぜひ、足をお運びください。

残すところ1ヶ月半、関連行事も残り少なくなってまいりました。
こちらもぜひ、ご参加ください。

*関連行事
・学芸員とっておき講座 「とちぎのキノコ図鑑」 
 講師:当館学芸員 山本航平
 10月20日(日) 13:30~15:00
 
・学芸員による展示解説
 10月6日(日) 14:00~15:00
 *要観覧料

・体験「キノコペーパースタンドをつくろう」
 9月21日(土)14:00~15:30

*********
栃木県立博物館では、企画展のほかにも展示が盛りだくさん。

こちらの展示は、もうすぐ終わってしまうのでお早めに!
・テーマ展「世界の!栃木の!!コガネムシ~カブトムシだってなかまだよ~」(9/23まで)
・テーマ展「武士の装い-館蔵刀剣武具展-」(9/23まで)
少し余裕があります。
・テーマ展「栃木の畑作~麻・麦・かんぴょう~」(11/10まで)

(自然課 猪狩)

出前講座「キノコのふしぎ」を開催しました

9月7日(土)10時~ 宇都宮市立上河内図書館にて、講座「キノコのふしぎ」を開催しました。参加者は小学生からご年配の方まで計13名、講師は現在当館にて開催中の企画展「とちぎのキノコ」を担当した山本学芸員です。

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 始めに、「キノコとは何か?」という話から始まりました。キノコというと何となく植物に近いイメージがありますが、キノコは「菌類」という仲間に含まれ、現在は遺伝子の情報を基に分類した結果、この「菌類」はなんと動物に近い存在だということが明らかになったそうです。

 ただこの菌類、世界に約150万種あるといわれていますが、現在名前がついているものは約10万種しかないと山本学芸員が説明しました。

 また、エツキクロコップタケの胞子が噴き出す様子の動画を見せたり、いろいろな形の胞子の顕微鏡写真を見せたりして、「キノコよって胞子に形が様々なので、他の種類と違うかどうかを顕微鏡で観察して調べる」と説明しました。

 次に「いろいろ!キノコの生き方」。これは、キノコには樹木と共に生きるキノコ「菌根菌」(チチタケやマツタケなど)や地中に生えるキノコ「地下生菌」(トリュフなど)、虫を殺すキノコ「冬虫夏草」(ハチタケなど)と、キノコの種類によって様々な生き方があることを、例を挙げながらわかりやすく説明しました。

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菌根菌と樹木の共生関係

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冬虫夏草の生き方

 その後、昭和天皇が発見されたアカヒトデタケ、100年以上前に日光で発見されたマンネンハリタケ、山本学芸員が発見したクサイロコメツキムシタケなどの栃木のご当地キノコを紹介しました

 最後に、山本学芸員から「キノコの多数の標本を集めるには、市民の皆さんの協力が不可欠。もし何か興味深いキノコを見つけたら、博物館へ持ってきてください。」とのメッセージで講座が終わりました。

 講座が終わった後、何人かのお子さんが気になったことを山本学芸員に質問しに行き、答えてもらっていました。

 栃木県立博物館では、現在企画展「とちぎのキノコ」(~11/4)を開催中です。またテーマ展「世界の!栃木の!!コガネムシ~カブトムシだってなかまだよ~」(~9/23)、「武士の装いー館蔵刀剣武具展―」(~9/23)、「栃木の畑作~麻・麦・かんぴょう~」(~11/10)も同時開催で見ごたえ満載ですので、ぜひご来館ください。

(自然課 三宅)