5月31日、講堂にてシンポジウム「栃木の外来生物」を開催しました。本シンポジウムは、現在開催中の企画展「外来生物」の関連行事として実施したものです。当日は強風の中、64名の方々にご参加いただきました。
基調講演では、神奈川県立生命の星・地球館主任学芸員の苅部治紀氏を講師にお迎えし、「日本の自然にとどめを刺す外来生物との闘い ― その被害実態と在来種保全策 ―」と題して、外来生物による被害の実情と、それに対する対策についてご講演いただきました。
(上の写真:苅部治紀氏)
また、県内における外来生物対策の具体事例として、以下の団体・機関よりご報告をいただきました。
栃木県環境森林部自然環境課:「栃木県における外来生物対策について」
栃木県水産試験場:「河川におけるコクチバスの駆除とその効果の検証」
栃木県農政部経営技術課:「モモの産地とサクラを守れ!~栃木県のクビアカツヤカミキリに関する試験研究の取組み~」
足利市生活環境部環境政策課:「クビアカみっけ隊によるクビアカツヤカミキリ防除活動」
NPO法人水辺環境保全研究所(うじいえ自然に親しむ会):「鬼怒川中流域の生物多様性保全に向けた外来種駆除」
日光パークボランティア活動運営協議会事務所(環境省日光国立公園管理事務所):「日光国立公園日光地区パークボランティア外来種除去活動」
それぞれの団体からは、クビアカツヤカミキリやコクチバスといった外来生物への対策や、その活動の現状について、詳しいお話をいただきました。
シンポジウムの最後には、参加者の皆様から事前にご提出いただいた質問票をもとに、総合討論を実施しました。寄せられたご質問に講師や発表者が丁寧に回答し、活発な意見交換が行われました。
今回のシンポジウムを通して、「外来生物」とどのように向き合っていくべきか、そのヒントを少しでもお持ち帰りいただけたのであれば幸いです。
ご参加いただいた皆様に、心より御礼申し上げます。
(自然課 永嶋)
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