2007年09月05日

「下野民話のつどい」の様子をご紹介します

平成19年9月2日(日)、博物館講堂において「下野民話のつどい」が行われました。
(主催:下野民話の会、共催:栃木県立博物館)。当日は、定員をこえる220名の方が参加され、下野民話の会3名の語り(第1部)と石田雄士(尺八)、さえ(琵琶)夫妻の演奏(第2部)に聞き入られました。

はじめは、岡本香久子さんの民話語りです。岡本さんは日光市(旧栗山村)川俣生まれ。栃木県を代表する伝承語り部です。今回は、川俣の民話から「南部太郎」と「正直は一生の宝」を語っていただきました。結句(語りの終わりにいう言葉)の「しゃむしゃっきりねこすけぽっきり」は、川俣の特徴的な言い回しです。

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次は、矢内直子さん。出身は秋田県。秋田弁の独特な語り口調が、東北のぬくもりを感じさせます。「東の家と西の家」、「へそから羽の生えた昔」を語っていただきました。

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第1部の最後は、和地芳江さんによる「麻布地蔵」と「鶴のはたおり」。前者は一般には笠地蔵で知られるものですが、、栗山に伝わる麻布地蔵はいじわるばあさんが登場します。
和地さんは現在、高根沢町の女性のリーダー的存在で、地域の民話の発掘にもつとめられています。

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休憩をはさんで第2部は、「尺八と琵琶がおくる和の世界」。国内外で活躍されている石田雄士、さえ御夫妻をお招きし、演奏していただきました。

石田雄士氏は岩舟町出身、現在茂木町在住。尺八を坂田誠山に師事、1992年に日本音楽集団に入団。ニューヨーク・フィルと共演されるなど国内外で活躍されています。石田さえ氏は15歳より薩摩琵琶を半田淳子氏に師事。NHK邦楽技能者育成会第32期卒業後、プロとして演奏活動に入られました。中村メイコ、石川さゆりと共演されるなどコンサート、朗読、演劇など音楽の幅広いジャンルでご活躍。ご自分で作曲も手がけられています。

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はじめに尺八と琵琶による童謡の演奏からはじまり、尺八による「鶴の巣篭もり」、琵琶の弾き語りによる「扇の的」、また石田さえ氏作曲の「縁(えにし)」も披露していただきました。これらの曲は、すべて尺八と琵琶の特性を生かしたもの。趣深い演奏で、ご参加の皆様はとても感動されていた様子でした。

次回の博物館での民話語りは11月11日(日)の13時30分から。申込は普及資料課(028-634-1312)までお願いします。みなさまのご参加をお待ちしています。
(人文課 篠崎)

投稿者 : 人文課 | カテゴリー : 博物館からのお知らせ