2007年05月15日

円仁展関連行事 第一回 記念講演会

5月12日に1回目の記念講演会を行いました。
講師は東北大学名誉教授・東京藝術大学客員教授の有賀祥隆先生で「慈覚大師 円仁と日本の仏教美術」というタイトルでご講演いただきました。
円仁に関係する美術、特に展覧会に出品している作品を中心として、大変わかりやすくご説明いただきました。平安初期、密教という新しい仏教に注目した宗派として、最澄・円仁と続く天台宗と、空海が開いた真言宗があり、ご講演では、たくさんのスライドで比較しながらお話いただいたので、この2つの宗派がそれぞれ独自性を出そうとして切磋琢磨していた様子がよくわかりました。
またその中で円仁が中国・唐から持ち帰ったものが、天台宗の密教と法華経のそれぞれの部門に、非常な多様性を生み出したこともお話いただき、円仁展をきっかけに円仁の業績についてもっと注目されるべきだと感じました。(学芸部 入江)

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投稿者 : 人文課 | カテゴリー : 特別企画展「慈覚大師 円仁とその名宝」