観察会「たんぼ物語~土ってすごイネ~」を開催しました

 8/26(土)真岡市にある宇都宮大学附属農場にて、観察会「たんぼ物語~土ってすごイネ~」を開催しました。

 まだ暑さが厳しい時期ですが、小学生から大人まで7名が参加しました。また、宇都宮大学の平井先生と学生4名にお手伝いいただきました。

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 まずは農場内にある森の中に移動。ここで吉田学芸員が「地面の下はどうなっているか?」、地層の断面を見ながら説明しました。

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 地面から2mほど穴を掘ってあり、深くなるにつれて土の様子が変わっていることが分かりました。中には約4万5千年前に群馬県の赤城山から飛んできた鹿沼土も見ることができました。

 今回の観察会で一番注目してほしい土は、一番上にある黒い土です。この土がイネ作りに適しているのだそうです。では、その黒い土はどのようにしてできるのでしょうか?

 黒い土のでき方については、南谷学芸員が「ミミズが枯葉を食べて出した糞。その糞の中には共生微生物がいて、糞をさらに分解して作物が育つための栄養に変えてくれる。」という説明に、参加者は「おお~」という表情を浮かべていました。

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 次に田んぼへ移動し、田んぼについて平井先生や学生の方々から説明がありました。農場では堆肥や無肥料、化学肥料など、土の条件を変えて研究しています。それぞれの田んぼで成長速度や花の咲く時期、刈り取りの時期が違うのだそうです。

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 今回は化学肥料、無肥料、堆肥の3パターンの田んぼからイネを2株ずつ抜き取り、生育状態を観察しました。

 参加者の方々は裸足で田んぼに入り、イネの抜き取りを体験しました。皆さん、普段はなかなか体験しない泥の感触やにおいを楽しんでいたようでした。

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 抜き取った稲の一株当たりの本数を数えてそれぞれの田んぼでの生育の違いを観察した後は、元の抜いた場所に稲を戻して観察は終わりになりました。

 最後に、吉田学芸員が「日本人の主食である米や作物を作るのに土は大事なものです。しかし土が一度失われてしまうと、元に戻るまでに長い年月がかかってしまうので、土は大切にしていきましょう。」という挨拶で締めくくりました。

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 栃木県立博物館では、地学分野ではテーマ展「ぼくらの自由研究~川の地形と石~」を開催しています。また企画展「花と虫~助けあい、せめぎあう植物と昆虫~」、人文系テーマ展「草・木・虫をめぐる栃木の民俗」「浙江省ゆかりの絵画と幽美なる風景」を同時開催していますので、ぜひご来館ください。お待ちしています。

(自然課 三宅)