「県の石」の展示はじめました。

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 去る5月10日に、日本地質学会が全国47都道府県の「県の石」を発表しました。「県の石」はそれぞれの県に特徴的な「化石」・「鉱物」・「岩石」から1つずつ選ばれました。われらが栃木県の石としては、化石・・・木の葉石、鉱物・・・黄銅鉱、岩石・・・大谷石が選ばれ、新聞などでも話題になっています。

 せっかく決定した「県の石」ですから、より多くのお客様に見ていただきたいと思い、栃木県立博物館では「県の石」のトピック展示を行っています。

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 まずは、化石部門から「木の葉石」です。

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 塩原の木の葉化石園に行ったことのある人にはおなじみです。県博の講座・観察会でもおなじみです。

 葉っぱの形がしっかりと残っており、保存状態が極めて良いことから、栃木県を代表する化石としてふさわしいと思います。

 次は鉱物部門から「黄銅鉱」です。

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 栃木県といえば、日本屈指の銅山である足尾銅山が有名です。

 足尾銅山の銅を取るために採掘していたのが、この黄銅鉱です。

 黄銅鉱を製錬してできた銅は日本の近代化の一助となる一方で、製錬過程で出た物質によって生じた環境汚染問題はあまりにも有名です。

 栃木県の近代史を語る上では欠かせない鉱物ということで選ばれました。

 黄銅鉱は結晶で出にくい鉱物ではありますが、写真上は結晶が見られます。また、写真下は水晶の群れの中に黄銅鉱の結晶が見られる美しい標本です。

 最後に、岩石部門から「大谷石」です。

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 大谷石は、古墳の石室として使われていたように、古くから知られる建築資材です。

 近代では、アメリカの建築家フランク・ロイド・ライトが旧帝国ホテル本館の資材として使いました。建物の完成披露宴の準備中に関東大震災が起きてしまいましたが、それに耐えたことから全国的に知られるようになりました。 

 現在では、加工のしやすさからインテリアオブジェクトとして使われたり、採掘場跡が映画の撮影で利用されたりと、建築資材以外でも有名になってきていますね。(あの空洞で撮影されたんですね・・・るろ剣)

 トピック展示は期間限定で6月19日まで行う予定です。この機会にぜひご覧ください。