春のチョウが見られました。

暖かくなるにつれて、あちこちで色々な昆虫が見られるようになってきました。
これからだんだん見られる種数は増えてきますが、
春にしか成虫が見られない種類もいます。

スギタニルリシジミ

このチョウは、スギタニルリシジミCelastrina sugitanii (Matsumura, 1919)。
県内では、四月の中旬から標高の高い渓流などで見られます。
天気の良い日は、湿原や道路脇の水たまり等に雄が集まって、
集団で吸水する姿も見られます。

多くのチョウは、幼虫の時に植物を餌とすることが多く、
種によって、餌となる植物が決まっています。
そしてこのスギタニルリシジミは、トチノキを主に餌とします。

このチョウは、幼虫はトチノキの花蕾のみを餌とし、約一ヶ月で蛹になります。
蛹はそのまま冬を越し、次の年の春に羽化して成虫が現れます。
幼生期がトチノキ(栃の木)に依存することから、
栃木県民として親しみを持つのは、私だけでしょうか?

(自然課 大島)