毎月第3日曜日は県博デー
2025年9月21日(日)、県博デーのイベントのひとつ、学芸員とっておき講座を開催しました。21名の方にご参加いただきました。ありがとうございました。
今回のテーマは、「とちぎの外来生物」。講師は、当館維管束植物担当の星学芸員です。
まずは、「外来生物とは」から講座は始まります。
外来生物とは、「もともとその地域にいなかったが、人の活動によって他の地域から持ち込まれた生き物」のことです。他の地域とは、国外だけではありません。国内の他の地域から持ち込んでも外来生物です。
暖温帯から亜寒帯と3つの気候帯、平野から山岳地帯、火山地域や大きな川と起伏にとんだ地形とさまざまな自然環境が栃木県にはあります。
高山、雑木林、田んぼや水路、家の周り、河原と環境ごとに、そこに生息・生育する在来生物と外来生物が、スライドで次々と登場しました。
その一部をご紹介します。
こちらは、日光の白根山のコマクサです。遺伝子解析の結果、宮城県の蔵王山から持ち込まれたコマクサであることがわかっています。つまり、他の地域から持ち込まれた外来生物。同様に、前白根山に、群馬県草津白根山から持ち込まれたコマクサが確認されています。
人家の周りに目を移すと、ヒメジョオン、シロツメクサ、セイヨウタンポポなどたくさんの外来生物がふつうに見られます。
最近、歩道などで見かけるようになったアメリカオニアザミです。
体中、鋭くてかたいトゲがあります。葉の上にもトゲがあるのが、アメリカオニアザミの特徴です。うっかり触るとケガをするので、注意が必要な外来生物です。
増えると厄介な外来生物。拡大を抑えようと、宇都宮市内の水路で行われたアマゾントチカガミの駆除活動の話もありました。
1度の活動では駆除できません。毎年、ボランティアの方々の協力を得ながら活動を続けています。
現在、博物館では、テーマ展「どーしたもんだろ とちぎの外来生物」を開催しています。栃木県に生息・生育する代表的な外来生物、外来生物対策について紹介しています。
ぜひ、博物館へ足をお運びください。
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テーマ展「恐竜の小部屋」(11/3まで)も開催中。
10/4(土)からは企画展「〝異″常の色・形~時に思いが宿るもの~」が始まります。
お楽しみに!
(自然課 猪狩)
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