土にもぐったキノコを探そうin根本山

2022年10月15日(土)、真岡市根本山にて、根本山自然観察センター・栃木県立博物館共催、日本地下生菌研究会協力で、根本山しぜん体験教室「土にもぐったキノコを探そう」が開催されました。

土にもぐったキノコってなんでしょう?
森へ探しに行く前に、当館菌類担当の山本航平学芸員からお話を聞きます。hanasi.jpg

キノコと聞いて頭に浮かぶのは地上に生えているキノコではないでしょうか。シイタケ、シメジ、ヒラタケ、チチタケ(ちたけ)、ベニテングタケなどなど、おいしいもの・毒のあるものたくさんあります。

土にもぐったキノコを「地下生菌」といいます。地上に生えるキノコが進化して、くるりと丸い形となって土の中で生きています。世界三大珍味のひとつトリュフも地下生菌の仲間です。

根本山での地下生菌の調査は、今日が初めて。
見つかれば、根本山での初確認となります。みんなで頑張ってさがしましょう!

地下生菌はマツやドングリの木と共生しているので、今日はコナラやクヌギの林で、小さな熊手で落ち葉を軽くかき分けます。探したあと、かき分けた落ち葉や土を元に戻すのが、地下生菌さがしのマナーです。

山本学芸員と日本地下生菌研究会の大前さんのご指導のもと、湿り気がたまりやすい、斜面の下の方を探します。

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ひとつでも見つかるといいなーとスタッフ一同思っておりましたが、

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➀ヒメノガステル属の一種。ワカフサタケ属に近縁な地下生菌です。

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②シラタマタケ。スズメバチに胞子を運んでもらいます。

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③ツチダンゴの仲間。とても小さくて、見つけにくいので図鑑にも載っていないそうです。
「よく見つけたね」専門家の大前さんも感心していました。

約2時間で3種類も見つかりました!
地下生菌のほかにも、キノコや小さな虫、いろいろな生き物を見つけることもできました。下を向いて歩くと「これなに!」がたくさんあります。

根本山自然観察センターでは、他にも自然に親しむ行事が予定されています。
この観察会を運営していた自然観察指導員の木村さん、相田さんも「楽しいことがたくさんあるよ」と待っています。ぜひ、足をお運びください。

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栃木県立博物館では、開館40周年記念特別企画展「鑑真和上と下野薬師寺~天下三戒壇でつながる信仰の場~」が開催中です。国宝の薬師如来立像など貴重なものが多数展示されています。開期は10月30日(日)までと残りわずかとなってまいりました。この機会をお見逃しなく!ご来館をお待ちしております。                           (自然課 猪狩)