「鑑真和上と下野薬師寺」 ワークショップ開催します!(裏話も)

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9月23日に行ったワークショップ「古代瓦の3Dぬり絵」の再びの開催が決定いたしました!

【開催概要】

日時:10月22日(土曜日)10時~11時(材料がなくなり次第終了)

場所:当館1階ロビー 下野薬師寺瓦レリーフ前(入館無料スペース)

参加費:200円(材料代として) 

古代瓦の使われ方や文様について思いをめぐらしつつ、ミニチュア模型に色をぬってもらうワークショップです!

用意している模型は、いずれも「鑑真和上と下野薬師寺」展で実物展示をしている栃木県内の古代瓦ですので、展覧会とワークショップの両方でお楽しみいただければ幸いです。

前回の反省のもと、ぬり絵をするだけではなく、古代瓦について考えたり知ってもらったりするきっかけとなるよう、新たにワークシートもつくってみました。

子ども大人に関わらず、多くの皆さまのご参加をお待ちしております\(^o^)/


~ワークショップ「古代瓦の3Dぬり絵」裏話~

前回9月23日のワークショップに至るまでのお話です(^^ゞ

 

事の起こりは昨年の冬?頃、「鑑真和上と下野薬師寺」展はかっちりとした内容なので気軽に楽しめるワークショップが何かしたい......、と思っていたところ、考古作業室に掛けられていた古代瓦のストラップが目にとまりました。

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(今回のワークショップで用意している模型にはストラップは付属しません)

過去、3D計測事業で瓦を計測し、ミニチュアに加工してシリコン型を作り、その型に石膏や樹脂を入れてできたものに色をぬるというワークショップをしたことがあったようです。

 

お!!なんてぴったりなんだ、下野薬師寺の瓦じゃないか!

と喜んだのは、当時まだ瓦の文様の区別がついていなかったふつつか者の私です。

「いいね~、やろうやろう!!」 と展覧会担当者内で盛り上がったのもつかの間、考古担当より、

「でも、下野国分寺と那須官衙の瓦しかないからねぇ...」 との一言。

たしかに...!館内の下野薬師寺の創建瓦のレリーフを確認すると、私が下野薬師寺の瓦と思っていたのは下野国分寺の瓦でした。

【開館当初からある館内のレリーフ】←本展撮影スポット!ワークショップ開催場所はここ。

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決定的な違いは、下野国分寺は唐草文に囲まれていますが、下野薬師寺は面違鋸歯文というギザギザ文様になっているのです。

 

困った、とってもいいワークショップだと思ったのに......

いろいろ迷走した結果、しもつけ風土記の丘資料館さまで同じようなワークショップをすで行っていらっしゃることが判明しました。

そちらで使用されている型から型を複製させていただけることとなり、下野薬師寺の鬼瓦(創建期)・軒丸瓦(官寺昇格期)、下野国分寺の鬼瓦の3種を入手することが叶いました。

しもつけ風土記の丘資料館の皆さま、ここに記して厚く御礼申し上げます。

 

さて、型から型を複製する、とは?そしてワークショップ用の模型はどうやってできたのでしょう?

①しもつけ風土記の丘資料館さまの型から石膏型をつくる

【できあがった石膏型】

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・・・瓦の范型を持って移動した古代の瓦職人に思いを馳せる・・・

②石膏型を原型とし、シリコン型を作成する →型の完成

【石膏型にシリコンを流し固めているところ】

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【石膏型をはずしてシリコン型完成】

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③シリコン型に樹脂(※)を入れる   ※次回開催時は、石膏を使用します。

【9月22日 博物館実習(考古・美術)の学生さんたちと一緒に行いました】

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④シリコン型から取り出す →模型の完成

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展覧会開幕前は展示準備に追い込まれたため、シリコン型の作成以降の手順は開幕後にようやくとりかかるという感じで、失敗しないか、うまくできるのか、と不安になりながら、なんとか形になってほっとしたのはワークショップ前日のことでした。

お手伝いくださった実習生の皆さん本当にありがとうございました!!

当日も考古の博物館実習のお二人とボランティアの方々に助けられながら、盛況のうちに終わることができました。

どうもありがとうございました<m(__)m>

そして、ただいま、10月22日に向けて模型を量産準備中です!!

ぜひとも、ワークショップのご参加をお待ちしております\(^o^)/

(人文課・久野)