学芸員とっておき講座「ちょっとディープな日光の地形地質ガイド」を行いました

11月21日(日)の13時30分から15時まで学芸員とっておき講座「ちょっとディープな日光の地形地質ガイド」を当館講堂で行いました。当日参加を含め参加者は20名となりました。今回の講座の担当者は河野学芸員で、地形地質の観点でみた日光のマニアックで面白いスポットが紹介されました。

_MG_4229.JPG_MG_4228.JPG

まずは、地球の表面を覆うプレートの運動によって様々な岩石が形成される過程が分かりやすく図説されました。日本のようなプレートが沈み込む場で特有の火山や、付加体と呼ばれる海のプレート上でできた堆積岩類が大陸(島弧)のプレートに沈み込む際に押し付けられて付加される岩体が日光の大地を構成しているそうです。具体的には、ペルム紀のフズリナ石灰岩、ジュラ紀の堆積岩コンプレックス(付加体)、後期白亜紀~前期古第三紀の奥日光流紋岩類、後期中新世の奥日光流紋岩類、そして第四紀の日光火山噴出物で構成されており、それぞれの岩石の様子と分布が紹介されました。

日光の大地の成り立ちについて説明された後、ディープな日光の地形地質ガイドが始まりました。

_MG_4237.JPG

裏見滝、男体山の薙、華厳滝、中禅寺湖、光徳沼、日光湯元、葛老山の地すべり(五十里洪水)についてマニアックな視点で、地形地質の見どころや防災対策、被災状況の現地検証結果など、普段知ることのできない最新情報を聞くことができました。今後、日光の美しい景色の見え方が変わるような、面白い講座でした。

(自然課 北野)