学芸員とっておき講座「動物の標本を作り続けて...あっ、30年だ」を開催しました

毎月第3日曜日は県博デー!

4月18日(日)、学芸員とっておき講座「動物の標本を作り続けて...あっ、30年だ」を行いました。
タイトルがユニークですね。
今回の講師は、林学芸員です。
脊椎動物資料の収集・標本作製について、博物館の裏側の紹介がありました。

①講演会開始.jpg

まず、大学院生時代のある出来事に遡ります。
当時、イモリ研究に取り組んでいた林学芸員。
海外の研究者から、「大学で研究に使われた標本が残されていないなんて発展途上国。」と言われ、悔しい思いをしたそうです。
そのときに、日本の博物学は標本の蓄積が不十分なことを実感し、少しずつでも現在生きている植物や動物を標本として残していこうと思ったようです。

当館に集められた植物や動物は、そのままの状態では腐ってしまいます。
そこで、長い時間保管できるように標本化します。

当館では、展示用標本の本剥製や含浸標本、学術標本の液浸標本や骨格標本など、たくさんの種類があります。

②標本の種類.jpg

その作り方もさまざまです。
例えば、鳥類の仮剥製は、骨や肉を取りだした後、ぬいぐるみのように綿を詰めて固定します。

③仮剥製.jpg

標本を作り続けることの大切さについて、林学芸員の熱意が伝わってくる素敵なお話でした。

今回の講座に関連する、第129回企画展「収蔵庫は宝の山!~博物館の資料収集活動~」は、4月24日(土)からスタートします!
また、以下のような行事が予定されていますので、
お誘い合わせの上、ぜひご参加ください!

●特別対談
5月8日(土)13:30~15:00 特別対談「ゾウムシから見た自然・標本・博物館」
              対談者:養老孟司氏と当館学芸員(要予約)
              ※聴講には当日の観覧券が必要です。
●リレー講座「収蔵資料じまん話」 ※すべて13:30~15:00
4月25日(日) 地学部門
5月2日(日) 貝やミミズなど
5月9日(日) ニホンカワウソ、ニホンジカなど
5月23日(日) 民俗部門
●展示解説 ※両日とも14:00~15:00
5月15日(土)、6月6日(日)
●新収蔵庫ガイド
6月12日(土)①11:00~12:00 ②13:30~14:30
6月13日(日)①11:00~12:00 ②13:30~14:30

詳しくはこちらをご覧ください。

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次回の県博デーは、5月16日(日)。
とっておき講座は、「しゃべる押し葉標本」です。
標本がしゃべる、とは、どういう意味なのでしょうか?
みなさまのご参加をお待ちしております。

(自然課 森嶋)