観察会「カエルとサンショウウオの夕べ」が行われました。

 いきいきとした両生類の姿を見よう!!ということで今年も夜の両生類観察会の季節がやってきました。今年の「カエルとサンショウウオの夕べ」の開催日は5月4日みどりの日・・・ゴールデンウィーク真っ只中の開催となりました。連休中は別の予定がある人が多そうなのに、なぜ連休中の開催なのか?と思われる方もいらっしゃるでしょう。
 
 沼ッ原湿原の両生類調査を10年以上続けている担当の林によると
「以前は5月の第2土曜日に観察会を行うと、クロサンショウウオの観察にちょうど良かったんです。でも、最近は繁殖期のピークが早くなってきて、5月のゴールデンウィーク後では、ちょっと遅いんですよ」
とのこと。こんな風に地道に集めたデータから生き物の都合に合わせて観察会の日程を決めています。しかし、そのデータに基づいた予想も絶対ではないので(自然とはそういうものである!)、スタッフは観察会当日、「たくさん出てくれ!!」とカエルやサンショウウオに願いながら観察会をしています。


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 辺りが薄暗くなってきたところで観察会が始まりました。本日の観察会の参加者は18名。連休中お忙しい中、御参加ありがとうございました!!さて、今回はどんな生き物たちに出会えるでしょうか?


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 湿原入口に着く頃にはとっぷりと日も暮れて、両生類たちが元気に活動する暗さになりました。耳を澄ませて周囲の音を聞いてみると、フフフフフ・・・と女の人の笑い声に似た高めの声が聞こえてきました。カエルの鳴き声といえばゲコゲコという声を想像される方が多いですが、このフフフフフ・・・という声もカエルの鳴き声です。声の主はヤマアカガエルです。観察会中、鳴き声だけではなく姿と卵塊も観察することができました。


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 湿原では、すぐにアカハライモリとクロサンショウウオが姿を見せてくれました。特にアカハライモリが多く、木道のそばに現れる個体もいて観察しやすかったです。
 遠目に見るとアカハライモリとクロサンショウウオはシルエットが似ていますが、じっくり見れば違いがよくわかります。背中側の皮膚が真っ黒でザラザラしていて体全体がキュッとしまっているアカハライモリ。

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 背中側の皮膚がアカハライモリよりも明るくツルツルしていて、体全体がふやけたようになっているクロサンショウウオ。


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 じっくり観察できたので、皆さん観察会中にアカハライモリとクロサンショウウオをシルエットで見分けられるようになっていました。
 また、湿原の奥の方ではアズマヒキガエルに出会いました!大きくてゴツゴツした迫力があるカエルです。しかし、参加者の皆さんからは「可愛い!」との声が・・・私もそう思います!今回は鳴き声は聞けませんでしたがクックックック・・・と低めの声で鳴きます。


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そして観察会の最後にはこんな光景も

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 10匹近くのクロサンショウウオのオスが一か所に集まっていました!!どうやらこのあたりが彼らにとってメスを待つのに良いスポットのようです。私はこの観察会は4回目になりますが、こんなに集合しているところを見たのは初めてです。ここではオスが体を揺らしてメスを誘う行動も観察できました。今年もおもしろい光景が見られて大満足でした!

 両生類の夜の観察会はまだ続きます。
6月14日(土)19:00~21:00塩谷町の東荒川ダム公園で「モリアオガエルの観察会」が行われます。参加希望の方は電話でお申込みください。なお、予約は先着順です。Tel 028-634-1312


(自然課:渡部)