令和7年4月29日(火)、上三川町東蓼沼にて、観察会「外国からやってきた日本初記録のゾウムシをさがそう」を開催しました。本観察会は、現在開催中の企画展「外来生物~人によって運ばれた生き物たちからのメッセージ~」に関連した行事です。当日は33名の方々にご参加いただきました。日差しは強かったものの、風が吹いて心地よい一日となりました。
はじめに、日本初記録となった外来種「カタビロシンジュクチカクシゾウムシ」について説明を行いました。このゾウムシは、昨年4月に県内の小学生が「ニワウルシ」と呼ばれる木で発見し、調査の結果、中国に分布するゾウムシと同じ種類と判明したものです。成虫はニワウルシの芽の付け根に口吻を差したり、葉を食べたりして栄養を取ります。
※赤丸で囲まれているのが、カタビロシンジュクチカクシゾウムシです。
観察ポイントに移動し、参加者の皆さんと数本のニワウルシの木を調べたところ、幹にしがみつくカタビロシンジュクチカクシゾウムシを発見! 歩いて移動する個体や、幹の上で交尾する様子も見られました。1本の木に数匹の成虫がいることもありました。
さらに、同じくニワウルシの木で、もう一種の外来種「シロムネシンジュクチカクシゾウムシ」も見つかりました。このゾウムシも中国原産の外来種です。
※上の写真が、シロムネシンジュクチカクシゾウムシです。
今回の観察会では、外来種である2種のゾウムシ、カタビロシンジュクチカクシゾウムシとシロムネシンジュクチカクシゾウムシを確認することができました。
ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。
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現在、開催中の企画展「外来生物 ~人によって運ばれた生き物たちからのメッセージ~」の関連行事について
*企画展関連イベント
・シンポジウム「栃木県の外来生物対策」
【基調講演】講師:苅部治紀氏(神奈川県立生命の星・地球博物館主任学芸員)
事例紹介 県・市・市民団体による県内の外来生物対策事例の紹介
5月31日(土)10:00~16:00 当館講堂
*要予約 定員:150名
・学芸員による展示解説 当館展示室2
6月8日(日)14:00~15:00
*要観覧料
*企画展のほかにも楽しい展示がありますよ。
・テーマ展「地層の剥ぎ取り標本って、おもしろい!」(6/15まで)
・テーマ展「とちぎの昔ばなし~弓の名手那須与一と九尾のきつね玉藻前~」(6/15まで)
ぜひ、足をお運びください。
(自然課 永嶋)
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