リレー講座「収蔵資料じまん話2~動物編①~」を開催しました

5月2日(日)に、リレー講座「収蔵資料じまん話2~動物編①~」を開催いたしました。
第129回企画展「収蔵庫は宝の山!~博物館の資料収集活動~」の関連行事の一環で、リレー講座の第2回目になります。
今回の講師は、昆虫を除く無脊椎動物担当の南谷学芸員です。
参加者には、手指のアルコール消毒や間隔を空けた着席をお願いしました。
また、室内の換気をよくするためにドアは開けたままで行われました。

①講座開始.jpg

はじめに、①標本を集め、②標本を使って調査し、③企画展などで標本を展示し、④観察会などで県民の皆様に還元する、という当館の4つの基本方針について、お話がありました。

つぎに、魅力的な「お宝」の紹介です。
じまんの収蔵資料は、、、
・世界で唯一、栃木県立博物館が収蔵するヤミゾヤマミミズ
・世界三名宝のオオサマダカラ、シンセイダカラ、サラサダカラ
・かつて360万円の価格がついたこともあるリュウグウオキナエビス
・世界最大のエビ、アメリカンロブスター
・学術的に大切な役割を持つミヤマツチカニムシのタイプ標本
などなど、たくさんの「お宝」の紹介がありました。

②ヤミゾヤマミミズ.jpg

これらの収蔵資料は、なぜ、じまんの「お宝」なのでしょうか?
学術的に大切な役割を持つものや、過去の分布情報を物語るために大切なものなど、収蔵資料は、それぞれ役割があるそうです。

収蔵資料は、生物がそこに存在した確実な証拠です。
例えば、将来、気候変動などの影響を受けて、ごく当たり前の種もいつか絶滅してしまうかもしれません。
また、国内外の外来種がいつ侵入してきたのか、という証拠になることもあります。
だからこそ、たくさんの種類と数を集め、標本として残しておくことが大切です、というお話がありました。

今回は、数点しか紹介されませんでしたが、一点一点に物語があるそうです。
収蔵資料は、すべて大切な「お宝」、という素晴らしいまとめの言葉で、講座は終了しました。

講演後は、担当者いちおしの「お宝」である貝、ミミズ、エビなどの標本をご覧いただきました。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

講演会後の様子.jpg

今回のリレー講座のような、第129回企画展「収蔵庫は宝の山!~博物館の資料収集活動~」の関連行事は下記の日程で開催される予定です。皆様のご参加をお待ちしております。

●企画展記念特別対談 ※聴講には予約と当日の観覧券が必要です。現在、満席です。
5月 8日(土)13:30~15:00 「ゾウムシから見た自然・標本・博物館」
              対談者:養老孟司氏と当館学芸員

●リレー講座「収蔵資料じまん話」 ※すべて13:30~15:00で予約が必要です。
5月 9日(日) 「収蔵資料じまん話3~動物編②~」ニホンカワウソ、ニホンジカなど
5月23日(日) 「収蔵資料じまん話4~民俗編~」

●展示解説 ※両日とも14:00~15:00。
5月15日(土)、6月6日(日)

●学芸員とっておき講座 ※すべて13:30~15:00で予約が必要です。
5月16日(日) 「しゃべる押し葉標本」
6月20日(日) 「美術工芸収蔵資料じまん話」

●新収蔵庫ガイド ※予約が必要です。
6月12日(土)①11:00~12:00 ②13:30~14:30
6月13日(日)①11:00~12:00 ②13:30~14:30

(自然課 森嶋)