「火山灰は宝石箱」の講座を行いました

2016年11月12日(土曜日)10:00~12:00、博物館の研修室において、表記の講座を実施いたしました。

お子さん連れのご家族、成人の方、小中学生の皆さんなど全部で23名の参加者をお迎えして、定刻に講座が始まりました。まず、担当の学芸員から、全体の説明と注意などがありました。

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鉱物とは何かという難しい話も、実物の見事な標本を手に取って触ったり、見ながら説明を受けたりすると、なるほどと良く分かります。大きな水晶やサファイアの美しさに目を輝かせています。

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火山灰のでき方や、噴出の仕方などの説明です。コーラにキャンディーを投入すると、一気に炭酸ガスの泡が吹き出してくる実験をしています。実際の火山でもこのように、圧力のかかったマグマが噴火口から噴き出てくるという説明は納得しやすいようです。

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いよいよ火山灰を観察する実習に入ります。栃木県内で採取される4種類の火山灰をそれぞれビニール袋に入れ、良くつぶしてから何度も水で洗い、双眼実態顕微鏡で観察します。

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火山灰の水洗の仕方や、鉱物の顕微鏡観察の方法などにもコツがあります。担当者が巡回して丁寧に指導してくれるので、初めてのお子さんでもじきにできるようになります。

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各火山灰の産地ごとに、それぞれの特徴や見分け方などを記したプリントをもとにして、各自でどこの産地かを推定するという作業を行いました。絵合わせだけでなく、こうだからこれはどこのものだ、という論理的な推論の過程を経て、それぞれ判断をしました。

その結果を挙手により発表しています。当たった方もそうでない方も、目と頭と手先を使って苦労した結果でした。

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 最後のまとめのお話しです。火山の多い日本では、防災という観点からも火山についての知識の普及が必要とされています。鹿児島の桜島や雲仙普賢岳、中央アルプスでの噴火などの実例を交えて、様々な話題を提供いたしました。

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本日の講座を通じて、地質学や鉱物学などに関心が増したり、地域防災の重要性などを身近に感じてくれる方が少しでも増えましたら幸いです。

博物館では様々な講座や観察会などを開催しています。皆様のご参加をお待ちいたしております。

                                     (自然課 浅羽記)