テーマ展「水を描く」作品紹介・第2回(*’▽’)

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テーマ展ブログ、第2回目の今回は谷幹々(たにかんかん)の「山水図」をご紹介します。
この作品の水の描き方はどうでしょうか。


谷幹々「山水図」

ここでは「塗り」によって水を表しています。
陸地の下に薄く墨を入れることで、水面にゆらゆらと写る岩や山の様子が表されています。水面全体ではなく、いくつかの部分に少しだけ墨が入れられているので、穏やかな水の流れであることがわかります。
線を使って水を細かく描こうとするのではなく、塗りによっておおらかに描くことで優しい雰囲気が生まれ、幹々の人柄も感じられるような作品となっています。

谷幹々(1769~99年)は、江戸後期の画壇の大家・谷文晁の従兄妹であり、最初の妻となった人物です。文晁との間に長女・お宣を授かりましたが、若くして亡くなってしまいました。
意外に思われるかもしれませんが、江戸時代には幹々のような女性の画家も多く活躍していました。このブログの第4回では文晁の妹・谷舜瑛の作品もご紹介する予定です。お楽しみに!


最後にお知らせです(=゚ω゚)ノ
明日8月3日(土曜日)に本テーマ展の展示解説が行われます!
事前予約や参加料は不要ですが、博物館の観覧料が必要です。当日14時半前に展示室2のテーマ展入口に集合してください。
このブログでは紹介しきれない、展示作品すべてについて担当学芸員が解説を行います。ぜひ参加してくださいね♪

(人文課 瀬戸口)