宇都宮市下岡本・鬼怒川河床のクジラ類化石現地見学会

 昨年2月から4月にかけて、宇都宮市下岡本の鬼怒川河床でヒゲクジラやイルカの化石が相次いで発見されました。これらの化石は現在もクリーニング作業中です。現地の追跡調査も行ってきました。また、一般の方たちからの情報も多数寄せられています。
 昨年のヒゲクジラ産地の近くで、ほぼ1頭分のヒゲクジラ化石の存在が確認され、これを採取することとなりました。採取に先立ち、現地での見学会を開催します。


1.期日

 平成25年2月10日(日曜日)午前11時から午前11時30分、午後1時から午後13時30分


2.現地見学会会場

 宇都宮市下岡本地内の鬼怒川右岸(板戸大橋より約3km上流)。
 平成24年2~4月に発掘したクジラ類化石産地より約200m上流。
 ※現地への案内図は、こちらからダウンロードできます
 (現地への案内地図PDFファイル 36KB


3.産出状況

 ノジュール(化石が入った塊)の上面は直径4mと2.5m、1.5m、1mの4つの円形を成し、これらが連結した状態となっています。頭部・胸部、腹部、尾部という配列と考えられます。


4.学術的な意義

 昨年産出したヒゲクジラ化石は頭部の損傷が著しく、種の同定は不可能です。今回のノジュールから状態のよいヒゲクジラの頭部が産すれば、先の標本と合わせ同定が可能となります。


5.発掘計画

 2月 9日(土曜日) 作業用足場設置
 2月10日(日曜日) 一般対象現地説明会(11時と13時の2回)、排水、側線
 2月11日(月曜日) 重機による掘削・採取・運搬
 2月12日(火曜日) 採取予備日、現状復旧作業


6.その他

 近年、日本の各地で、地形や地質に基づく自然公園であるジオサイトやジオパークが認定されています。残念ながら、栃木県内には認定されたものはまだありません。保存状態が極めて良好なクジラやイルカの化石が多産する宇都宮市の鬼怒川は、ジオサイトやジオパークの候補地と成り得るものです。


7.注意
 現地説明会には長靴が必要です。
 (できれば30cmぐらいの長さのものをご持参ください)


8.問合せ

 栃木県立博物館 普及資料課 電話028-634-1312


(栃木県立博物館 普及資料課)