モリアオガエルの観察会が行われました

今回の観察会は東荒川ダム公園。当日は朝から雨が降ったり止んだり、
外に出へ出かけるのがためらわれるような天気でした。(6月16日)
しかし、雨はカエルたちにとってはうれしい天気です。どんなカエルたちに出会えるのかスタッフの期待も高まります。


ジャブジャブ池


観察場所に到着して、明るいうちに公園を一回りしてきました。


上池


カエルが暮らしていそうな大きな池がいくつもあります。
この時間帯でも、数種類のカエルの鳴き声を聞くことができました。


観察会開始


暗くなり始めて、参加者の皆さんも準備ができたところでいよいよ観察会スタートです。

池に近づく前に、まわりの音に耳をすませてみると・・・。
軽快なカスタネットのようなカカカ・・・カカカ・・・というシュレーゲルアオガエルの鳴き声とその鳴き声よりは低く、くぐもった感じのコココ・・・コココ・・・というモリアオガエルの鳴き声、グワッ、グワッ、グワッと田んぼでよく聞くアマガエルの鳴き声を聞くことができました。

そして、さっそく見つけました!!モリアオガエルの卵塊です(赤い矢印)。


モリアオガエルの卵 発見


ソフトボール大の白い泡の塊で、この中に約300~400個の卵が入っているそうです。
鳴き声が聞こえて、卵も見つけました。カエルも絶対近くにいるはず!!
カエルが隠れていそうな草むら、水中などの場所を調べます。


生き物捜索中


水中には、ヤマアカガエルとニホンアカガエルのオタマジャクシがたくさん見られました。
しかし、なかなか今回の観察会の主役モリアオガエルには出会えません。

黙々と生き物を探していると、先程までは聞こえなかったフィフィフィフィー・・・というきれいな鳴き声が聞こえていきました。
この声の主はカジカガエル。


カジカガエル


平野部の川や山の渓流などの流れのある水辺で暮らしているカエルです。

そして、ついに発見しました!!
なんと人が歩く道の真ん中に、モリアオガエルのメスが!!


モリアオガエル発見!!(メス)


お腹は卵が入っているようで大きくふくらんでいました。ちょうど、卵を産みに水辺へやってきたようです。
モリアオガエルは指に吸盤があり、木登りが得意。
手にくっつけて感触を試してみました。


吸盤の感触は?


「引っ張られる!」「ざらざらする!」などの声が上がっていました。

この池では、他にもツチガエル


ツチガエル


アカハライモリに出会うことができました。


アカハライモリ


次の池ではどんなものが見られるでしょうか?


上池を捜索中


この池は、林に囲まれていています。池のまわりの木にはモリアオガエルの卵がたくさん産みつけられていました。


たくさんの卵


耳を澄ませると前の池よりもモリアオガエルとシュレーゲルアオガエルの鳴き声が多く聞こえました。

皆さん黙々と、生き物を探していると「あ!」と声が上がりました。


何を見つけたのかな?


どうやら、モリアオガエルの卵塊からオタマジャクシが水の中に落ちるのを見た方がいたようです。
卵が産み付けられてから約1~2週間で、白い泡状の卵塊の中からオタマジャクシが水の中へ落下するとのことでした。その瞬間を見た方、うらやましい!!

そして、この池のまわりでシュレーゲルアオガエルの卵も発見しました。
シュレーゲルアオガエルはモリアオガエルと同じアオガエルの仲間です。


シュレーゲルアオガエル


色はモリアオガエルと似ていますが、体が一回り小さいことで見分けられます。


シュレーゲルアオガエルの卵


見つけた卵塊もおまんじゅうくらいの大きさで、モリアオガエルの卵塊より小さかったです。
また、卵を産む場所もモリアオガエルは木の上や草むら、シュレーゲルアオガエルは土の中と異なっています。
この池では卵の主のモリアオガエル、シュレーゲルアオガエル両方に出会うことができました。


モリアオガエル(オス)


出会ったのは両方ともオスで、メスが卵を産みに上ってくるのを待っている様子でした。

さて、みなさん、今年の夏は企画展「とちぎのカエルとサンショウウオ」を開催します。
【会期:7月21日(土)~9月17日(月)】
たかがカエル?とんでもない!知っているようで、知らない彼らの世界へご招待します。お楽しみに!!

                                                   (自然課:渡部)