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2011年09月16日

観察会「土と作物を観察しよう」が行われました

 皆さんは、普段自分たちが食べているお米が一体どれくらいの広さの田んぼから取れるのか、
また、お米ができるまでに農家の人たちがどのような工夫・努力をしているのかなどを考えたこ
とがありますか?

 そのようなことを勉強することができる観察会「土と作物を観察しよう」が、9月10日(土曜日)に
宇都宮大学農学部附属農場にて行われました。


 稲に与える肥料の違いによって、稲にどんな変化を与えるでしょうか。
まずはじめに、稲の長さや穂の数を測ってみました。

 P9100189.jpg

 P9100196.jpg

 その結果、①肥料を与えると稲穂の数が増え、お米がたくさん取れるようになること、
②化成肥料を使った場合にだけ、稲穂の付け根から地面までの部分の
「稈長(かんちょう)」と呼ばれる部分が長くなることが分かりました。

 しかし、肥料をたくさん与えすぎると稈長が長くなり、稲が倒れやすくなってしまいます。

 稲が倒れてお米が地面についてしまうと、芽が出てきてしまい、お米として
売れなくなってしまいます。肥料のあげすぎも、いいことばかりではありません。


 次に、肥料や品種の違いによる稲の違いが実際の田んぼではどう見えるのかを確かめるために、
農場の中にある実験田に向かいました。

 P9100208.jpg
この写真の右と左の稲で、違いがあるのが分かりますか?

右の稲がコシヒカリ、左の稲がゆうだい21です。ゆうだい21の方がしっかりと
立っているのが分かります。

 また、化成肥料に比べ、牛のフンなどから作った有機肥料を与えている
稲の方が倒れにくいことが分かりました。

 
 最後に、化成肥料だけをあげ続けている土と、有機肥料だけをあげ続けている
土の手触りや匂いを比べてみました。

 P9100211.jpg

 両方とも見た目はほとんど同じで、区別することはできませんが、匂いが違いました。
牛のフンから作った有機肥料の土と、化学的に合成された化成肥料、
どっちが嫌な匂いがしたと思いますか?

 実は、有機肥料はほとんど匂いは無く、なんとなく甘いような、土の良い香りがほのかにした
のに対し、化成肥料はドブのような、少しウッっと来る匂いがしました。

 これまでのことから、一見すると有機肥料の方が優秀で、こちらばかり使えば
良いように思われます。しかし、化成肥料はある面積に対し数kgだけ与えれば済みますが、
有機肥料はなんと、同じ面積でも数トンもの肥料を与えなければいけないのです。


 良いお米を作るには、どの肥料をどれくらいあげたら良いのか、
また、何年も作り続けて土に栄養が無くなってしまったらどうすれば良いのか…
など、難しいことを色々考えなくてはいけません。
せっかく上手に作っていても、台風が来たりします。

 私たちが普段何気なく食べているお米にも、色々な苦労や工夫が詰まっているんだ
ということを、ぜひ考えてみてください。

 この「土と作物を観察しよう」と、毎年6月頃に行われる「土のひみつを探る」は、
来年度も開催される予定です。ぜひご参加ください。
                                         (自然課 小暮)

投稿者 : 自然課 | カテゴリー : 自然部門活動記録