2010年06月02日
栃木県内の希少種調査に行ってきました2(植物編)
5月30日にトウサワトラノオという植物の調査に行ってきました。
トウサワトラノオは近年栃木県では発見されず、絶滅したということになって
いましたが、2007年下野市で再発見された植物です。このことは、新聞にも
載ったので、知っている方も多いかと思います。
今回は、下野市以外でもトウサワトラノオらしきものが発見されたとのことで、
その確認のために出かけました。

これが、トウサワトラノオの花です。一見、ナズナのようにも見えますが、
ナズナは花弁が4枚、トウサワトラノオは花弁が5枚です。
まず、この日は最初に下野市の生育地に行きました。写真は実験中の場所です。
たくさんある白い花がトウサワトラノオです。今年も無事、たくさんの株が花を
つけていましたが、水深が深すぎる場所はトウサワトラノオはほとんどみられま
せんでした。

ここは実験地の隣にあるトウサワトラノオの生育地です。こちらは、水を引き
入れていませんが、同じくたくさんの株が見られます。ただ、その他の雑草もたく
さんはえていますので、放っておくと雑草に被圧されてしまうかもしれません。

次に向かった場所は、以前一般の方からトウサワトラノオを見つけたという
お便りをいただいた場所です。同封の地図を頼りに目的の水田を見つけました。
畦に白い花があるのが見えるでしょうか。

花を咲かせている株は少なかったですが、確かにトウサワトラノオのようです。
周囲にもトウサワトラノオはありましたが、除草剤の影響でしょうか、そちらの
個体は花もなく、葉なども全く元気がありませんでした。
次に向かったのは、知り合いの方から教えて頂いた場所です。こちらも同じく
田んぼの畦にそれらしきものがあるとのことでした。

株数は多くないものの、トウサワトラノオが立派に花を咲かせていました。
持ち主の方によると、トウサワトラノオに気付いたのは3,4年位前で、それ以前は
おそらくなかったとのことでした。

持ち主の方のご配慮で草刈りの際も、トウサワトラノオだけ残しておいてくださった
ようです。来年以降も絶えないで残ってもらいたいものです。
今回の調査で、トウサワトラノオの新たな産地が確認されたのは大きな成果でした。
また、非常に興味深いことに、調査した3か所の生育地にはある共通点がありました。一つは、いずれも田んぼ周辺に生育していたということです。そして、もう一つは
3か所とも田川に近い田んぼであったということです。実は、過去にトウサワトラ
ノオの記録があった場所も、田川に近い場所なのです。もしかすると、他にも田川
沿いにひっそりと残っているのかもしれません。
今、トウサワトラノオは花つけていて一番見つけやすい時期です。もし、トウサワ
トラノオらしき植物を見かけた方はぜひ博物館までお知らせください。
(自然課 齊藤)
投稿者 : 自然課 | カテゴリー : 自然部門活動記録