水辺の植物調査に行ってきました

 今回も、引き続き栃木県内の希少種調査にでかけました。目をつけていた調査地
付近の地図を見ていたところ小さな池があったので、そちらに行ってみました。
 

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 目をつけた池です。釣り人もいました。よく見ると池の水面が何かにおおわれ
ています。一体何でしょうか?


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 おおっているものの正体はヒシという水草でした。葉の形が菱(ひし)型をして
います。ヒシは現在の栃木県ではほとんどみられない植物です。釣り人にたずねて
みたら、この池ではフナなどが釣れるとのことです。ブラックバスなどの外来種は
いないようで、比較的自然状態に保たれている貴重な場所です。今回、思いがけ
ないものを発見できて嬉しかったのですが、実はその他にもおもしろい発見をしま
した。


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 池の北西側から南東に向かって撮った写真です。写真ではわかりませんが、池の
100mほど向こう側には姿川がながれています。地形図をみるとわかるのですが、
実はこの池は三日月湖のようです。三日月湖というのは、昔川が流れていた場所が
流路が変わったことによって取り残されてできた湖のことです。


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 池の西側から北に向かって撮った写真です。黄色で囲んだところが、おそらく昔
姿川の水流によって削られてできた段丘ではないかと思われます。また、赤で囲んだ
ところには、河原にあるような丸みのある石がたくさん転がっていたことから、この
場所が昔河床だったことが予想されます。
 今回は、植物だけでなく姿川の移り変わりの様子も垣間見られて興味深い調査に
なりました。

                              (自然課:齊藤)