とちぎ江戸絵画(アート)の底力 ~珠玉の上野記念館コレクション~
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第138回企画展
メジャーもマイナーも大公開!とちぎ江戸絵画アートの底力
~珠玉の上野記念館コレクション~


第Ⅰ期 ≪とちぎの江戸絵画史を彩る画人たち≫ 令和6(2024)年4月27日(土)~6月2日(日)
第Ⅱ期 ≪とちぎ江戸絵画の底力≫ 令和6(2024)年6月8日(土)~7月15日(月・祝)

企画展概要

 宇都宮市の住宅街に佇む上野記念館は、学校法人宇都宮学園の創立者・上野安紹氏(1886~1930)の 遺徳を偲び昭和51年(1976)に創設された私立博物館です。同館は栃木県指定文化財を含む2000点あまりの資料を所蔵し、その中でも栃木県の江戸絵画史を通覧できるコレクションには注目すべきものがあります。そのような豊かなコレクションを誇る上野記念館ですが、建物の老朽化とコロナ禍の影響を受け、令和3年(2021)に休館となりました。本展は、同館のコレクションを一堂に展観するとともに、関連する当館の所蔵・寄託作品をあわせてご覧に入れるまたとない機会となります。
 また、本展では、第Ⅰ期と第Ⅱ期でテーマの視点を変え、展示作品を総入れ替えします。第Ⅰ期では、栃木県出身の幕府御用絵師・狩野梅春貞信、宇都宮藩主・戸田忠翰、そして画人の小泉斐や高久靄厓といった、本県の江戸絵画史を語る上で欠かせないメジャーな画人の作品を中心に展示します。第Ⅱ期では、靄厓をはじめとする画人たちを支援した豪商・大橋淡雅と菊池教中の親子に注目し、さまざまな階層の人々の交流が育んだ江戸時代後期の文化のようすをご紹介します。本展をとおして、魅力あふれる《とちぎ江戸絵画の底力》をお楽しみいただければ幸いです。

上野記念館展チラシ
会期

会期

第Ⅰ期
令和6年4月27日(土)

6月2日(日)

第Ⅱ期
令和6年6月8日(土)

7月15日(月・祝)

開館時間

開館時間

午前9時30分

午後5時
(入館は午後4時30分まで)

休館日

休館日

毎週月曜日(祝日を除く)
4月30日(火)
5月7日(火)

観覧料

観覧料

一般:260(200)円
大学 高校生:120(100)円
中学生以下:無料
※( )内は20名以上の団体またはM割料金


出品一覧[PDF:925KB]


第Ⅰ期 とちぎの江戸絵画史を彩る画人たち

会期 :令和6(2024)年4月27日(土)~6月2日(日)

第Ⅰ期では、とちぎの江戸絵画史を語る上で欠かせないメジャーな画人たちをテーマにご紹介します。江戸時代に画壇の正統をなした狩野派の絵師たち、余技の域を遥かに超えた戸田忠翰をはじめとする藩主たちによる作画活動、そして小泉斐や高久靄厓ら江戸時代後期に活躍した画人たちとその師友など、実に多彩な作品であふれています。


第1章 とちぎが生んだ狩野派絵師

 本章では、探幽・尚信・安信三兄弟の後見となった狩野興以や福岡藩御用絵師となった狩野昌運、幕府御用絵師である表絵師の家系・深川水場狩野家を継いだ狩野梅春貞信とその弟子・菊地愛山など、地域出身の狩野派絵師たちに注目します。

狩野梅春貞信(梅渓賢直)_龍梅図

狩野梅春貞信筆「龍梅図」江戸時代 弘化3年(1846)以前


第2章 お殿様の絵画

狩野梅春貞信(梅渓賢直)_龍梅図

 絵を描くことは武家においても武芸の嗜みの一つでした。それは下野国の藩主たちも例外ではありません。宇都宮藩主・戸田忠翰は当時流行していた南蘋派の画法を本格的に身につけ、玄人顔負けの華麗な作品を多数生み出しました。本章では、忠翰を中心にそのほかの藩主たちの作品をとりあげ、お殿様たちの卓越した技芸をご紹介します。


戸田忠翰筆「芭蕉に小禽図」享和3年(1803)


第3章 下野国出身の画人とその師友

 鮎図の名手として知られる黒羽藩の小泉斐、江戸の巨匠・谷文晁の高弟となった高久靄厓、同じく文晁門下で足利藩士の田﨑早雲など、江戸時代後期に活躍した下野国(栃木県)出身の画人たちを中心にご紹介します。

狩野梅春貞信(梅渓賢直)_龍梅図

高久靄厓筆「陸陽松島真景図」文政4年(1821)

第Ⅱ期 とちぎ江戸絵画の底力

会期 :令和6(2024)年6月8日(土)~7月15日(月・祝)

第Ⅱ期では第Ⅰ期でも紹介した高久靄厓をはじめとする画人たちを支援した豪商・大橋淡雅とその息子・菊池教中に注目します。ここでは画人たちだけでなく、幕末の宇都宮藩士たちの作品もとりあげ、さまざまな階層の人物たちの交流が育んだ江戸時代後期の文化のありさまをのぞいてみます。


第1章 画人たちを支える豪商のたしなみ

 日本橋に店を構えて一代で富を築いた下野国出身の大橋淡雅(1789~1853)は、文芸に通じ、当代の文人たちと交遊し、彼らの金銭的支援を行いました。本章では淡雅とその実子・菊池教中(1828~62)らが交流した画人たちの作品を中心にご紹介します。

狩野梅春貞信(梅渓賢直)_龍梅図

椿椿山筆「名花十友図」天保11年(1840)

第2章 幕末宇都宮たちの文化ネットワーク

 幕末の宇都宮では、菊池教中や宇都宮藩士の県六石、藤田素堂さらに神職家の葭田蔡泉や僧侶の稲木黙雷など、さまざまな階層の文人たちによって、活発な文化交流が生まれました。本章では教中や宇都宮藩士たちに影響を与えた思想的な時代背景も捉えつつ、彼らの文芸活動のようすを紐解きます。

狩野梅春貞信(梅渓賢直)_龍梅図

藤田素堂筆 「宇都宮城址観山台図」 明治28年(1895)

関連イベント

(1)記念講演会「上野記念館のあゆみと名品」
日時 令和6(2024)年5月26日(日) 13:30~15:00
講師 文星芸術大学教授 大澤慶子氏
場所 当館講堂
定員 150名(要予約)
※聴講には当日の観覧券が必要です。
(2)シンポジウム 「とちぎ江戸絵画の底力」
日時 令和6(2024)年5月18日(土)10時00分~12時00分
場所 文星芸術大学  大講義室 (宇都宮市上戸祭4-8-15) 
定員 150名(要予約)
参加料 無料
  • タイムテーブル
  • 10時00分~10時05分 ご挨拶 田中久美子氏(文星芸術大学 学長)
  • 10時05分~10時10分 趣旨説明 大澤慶子氏(文星芸術大学 教授)
  • 10時10分~10時35分 「狩野派から文人画まで~展覧会紹介に代えて~」 久野華歩(当館 学芸員)
  • 10時35分~11時00分 「上野記念館の文人画コレクション」 本田諭氏(公益財団法人根津美術館 学芸員)
  • 11時00分~11時25分 「近世後期の書画愛好がつないだもの〜『澹如詩稿』のあとさき〜」
    末武さとみ氏(佐野市立吉澤記念美術館 学芸員)
  • ― 5分休憩 ―
  • 11時30分~12時00分 パネルディスカッション
  • ※終了後、文星芸術大学から県立博物館までの無料バス(定員40名)を運行します。
 記念講演会とシンポジウムのお申込先はこちら📞
    栃木県立博物館 教育広報課 (Tel 028-634-1312)
(3)学芸員とっておき講座「名品ズラリ!はなやか上野記念館コレクション」
日時 令和6(2024)年6月16日(日) 13:30~15:00
講師 当館学芸員 筒井志穂
場所 当館講堂 ※聴講無料
(4)担当学芸員による展示解説
日時 令和6(2024)年5月11日(土) 14:00~15:00
令和6(2024)年6月22日(土) 14:00~15:00
場所 当館展示室2 ※展示室で行うため、観覧料が必要になります。
(5)文星芸術大学院生によるアート・トーク
日時 令和6(2024)年5月18日(土) 14:30~15:00
講師 文星芸術大学大学院 寺内彩乃氏 ほか
場所 当館展示室2 ※展示室で行うため、観覧料が必要になります。
(6)関連展示1「上野記念館のあゆみ」
日時 令和6(2024)年4月27日(土)~7月15日(月・祝)
場所 当館エントランス  
(7)関連展示2「文化財修理の技」
日時 令和6(2024)年4月27日(土)~6月2日(日)、6月8日(土)~7月15日(月・祝)
場所 当館展示室2  
お問い合わせ・お申込み
栃木県立博物館 教育広報課
Tel. 028-634-1312