調査研究内容
栃木県立博物館 調査研究内容
学芸部長
関連分野 職名・担当・氏名 調査研究内容
考古 学芸部長
考古(古代)担当
上野 修一
 第101回企画展「土偶の世界―縄文人のこころ―」を担当し、約1,300点の資料を展示するとともに、図録を作成した。また、新たな試みとして、関連事業として「土偶スタンプをつくろう」や「土偶ストラップを作ろう」などの普及事業のほか、土偶研究の最前線で活躍する研究者の研究発表会を実施した。テーマ展では、(財)とちぎ未来づくり財団埋蔵文化財センターと共催で、「つながる北関発掘展」を開催した。移動講座では、那須町文化センターで「縄文時代のくらし」について講演した。
調査研究では、土偶について資料調査で得られた知見を元に、数紙に資料紹介を執筆したほか、土偶研究発表会においては「赤彩された土偶」について発表したほか、「山形土偶の成立」について論文を執筆した。
人文課

関連分野 職名・担当・氏名 調査研究内容
考古 特別研究員
考古(原始)担当
森嶋 秀一
 昨年度に続き、縄文時代の主要な石器石材であるホルンフェルスについて調べた。今年度は足尾山地南西部の秋山川の状況について調査を実施し、この地域でもホルンフェルスが産出することがわかった。
(財)とちぎ未来づくり財団埋蔵文化財センターと共催で、「つながる北関発掘展」を開催した。
 土器や土偶・陶磁器などの三次元撮影を行い、デジタルコンテンツを作製した。
考古 学芸嘱託員
考古担当
津野田 陽介
準備中
歴史 人文課長
歴史(中世)担当
江田 郁夫
平成24年度開催予定の「足利尊氏―その生涯とゆかりの名宝―」展の準備を本格化させ、足利尊氏関連資料の調査をおこなった。テーマ展では、北関東3館共通テーマ展「北関東の戦国時代―戦国の終焉―」を開催するとともに、同名の北関東3館連続シンポジュウムを実施した。そのほか、移動博物館として大田原市那須与一伝承館において「『結城戦場物語絵巻』の世界と那須の戦国」を開催した。
 調査研究では、ミュージアムカレッジ「北関東の戦国時代の終焉」で皆川俊宗の動向について報告したほか、講演会等でこれまでの研究成果を「宇都宮の中世の道」「中世の小山」「東国の足利尊氏」「戦国大名那須氏の成立」「中世宇都宮氏の城館を歩く」
 「中世の鍋山衆」「下野宇都宮氏と京・鎌倉」等の内容で報告した。ほかに、皆川俊宗に関する論文を執筆し、当館研究紀要第29号に掲載した。
歴史 主任
歴史(近世)担当
飯塚 真史
 夏季に高根沢歴史民俗資料館、秋季に日光市歴史民俗資料館で開催された地域移動博物館「戦中・戦後のくらし」に関して、副担当として、準備にあたった。平成24年度春季企画展「戊辰戦争 -慶応四年 下野の戦場-」では、副担当として、ポスター、チラシ、パネル等を製作し、準備段階の広報用資料作成の役割を担った。
 また、平成25年2月から開催予定の関東地区博物館協会共同企画展「近世下野の舟運」に関して調査・研究を行い、展示の準備を進めた。
歴史 主任研究員
歴史(近現代)担当
岸 明
 地域移動博物館「戦中・戦後のくらし」では、県内から出征した兵士が所持した品々や戦時国債、配給切符などを展示して戦中・戦後の生活を紹介する展示を高根沢町歴史民俗資料館と日光市歴史民俗資料館で行った。また、会期中にそれぞれの会場で「戦中・戦後のくらし」と題し、戦中の戦時国債の発行高や国家財政、物価指数などの数字から読み取れる戦中・戦後の日本の状態や国民生活を考える講演を行った。
 ミュージアムカレッジでは宇都宮周辺の戦中・戦後の町の様子を絵はがき等を使って概観する講座を行った。
 平成24年度春季企画展「戊辰戦争‐慶応四年 下野の戦場‐」の主担当として展示資料の選定や資料調査を行うとともに、具体的な展示計画についての構想を固める一方、企画展示用図録の作成を行った。
民俗 特別研究員
民俗担当
篠﨑 茂雄
 春季企画展「那珂川の漁撈用具~人と魚の知恵くらべ~」では、網、ウケ、ヤス、イケスなど当館が収集した那珂川に関する漁撈用具を展示し、それらの用具に込められた人々の知恵と工夫を紹介した。また、会期中に投網作りの実演や投網投げなどの体験講座を行った。テーマ展は冬に「おじいさんやおばあさんの子どもの頃の暮らし」と「栃木の手仕事」を実施した。前者は昭和初期頃の日常生活用具とおもちゃの展示であり、昨年度と同様に資料に直接触れることができる場(体験コーナー)を設け、会期中の1月~3月の毎週土曜日には、栃木県民話の会連絡協議会の協力で関連講座「おじいさんやおばあさんの民話語り」を行った。後者は、下野手仕事会等の協力を得て実施したもので、益子焼や小砂焼など土や石に関する本県の伝統工芸品を展示した。
 地域移動講座は市貝町と日光市で「民俗文化財について」という演題で行った。このなかで当館所有の国指定重要民俗文化財「野州麻の生産用具」を例にあげ、民俗文化財の特徴や保存することの意義を解説した。
 また緊急雇用創出事業を活用して、写真資料のデジタル化と那珂川の漁撈用具の整理及び実測図の作成を行った。那珂川の漁撈用具に関しては、今後も系統的に資料の収集する予定である。さらに、ふるさと雇用再生特別基金事業を活用して、伝統工芸や伝統芸能、民話等民俗資料のデジタル化とデジタルコンテンツの作成を行った。今年度は、「石尊山の梵天祭り」、「葉煙草の生産」などを映像で記録したが、これらは編集したうえで、平成24年中に公開する予定である。
民俗 研究員
民俗担当
宮田 妙子
 春季企画展「那珂川の漁撈用具~人と魚の知恵くらべ~」では、特にウケ、竿、舟、イケスについて担当し図録執筆等を行なうことで概要を紹介した。一資料群として充実させるべく、今後も調査・研究・収集を進める予定である。なお、関連して、日本民具学会第36回大会において「那珂川におけるウケについて-栃木県内の事例から-」と題して口頭発表を行なった。
 テーマ展は、「願い・占い・まじない」を主担当し、先がけて11月3日(文化の日)に実施したプレ企画「おみくじ/あなたは今何を願う?」において、入館者が体験しながら作り上げた成果物とその内容をまとめた資料も併せて展示した。また、足利市の行道山浄因寺で檀家により発見された弘化3年銘のある100枚揃いの御御籤版木を借用し、一部を展示すると共に、筮竹を作製して番号を引き、版本のコピーと現代語訳のファイルを見ることでその内容を知れるようにして紹介した。これらの成果の一部は「願い・占い・まじない-その目的と用具に注目して-」として栃木県歴史文化研究会第106回民俗セミナー・下野民俗研究会・第3回研究会(共催)において口頭発表をした。
 また、以上には関連して展示解説や講座等を行なった上、この他の民俗分野の展示、関連事業等も副担当した。
 民俗資料のデジタル化及びデジタルコンテンツの作成については、特に「葉煙草の生産」、「石尊山の梵天祭り」の撮影に資する調査・研究等を行なった。これまでに実施してきた項目も含め、平成24年度の公開に向けて編集の最終工程も進めている。
 他に、「倍返しという奉納方法について-栃木県の事例から-」を執筆し、『神・人・自然 特集「奉納」』創刊号に発表した。
美術
工芸
主任研究員
美術工芸担当
本田 諭
 展示に関しては、本県出身の文人画家である高久靄厓作品約30点を特集陳列したテーマ展「高久靄厓の世界―生まじめオヤジのステキな絵画―」を担当し、会期中に関連講座および展示解説を行った。
 また、佐野市立吉澤記念美術館で地域移動博物館「室町・江戸絵画のあやしくステキなおじさまたち」を開催し、当館の関東水墨画や狩野派、文人画の中から人物画を特集展示した。この会期中には、地域移動講座「中・近世の人物表現」を行った。
 調査研究としては、本県さくら市龍光寺蔵の木造喜連川恵氏像についての論文を執筆し、当館研究紀要第29号に発表した。
 さらに関西諸寺院などで、平成24年度開催予定の開館30周年記念特別企画展に向け、足利尊氏及び足利氏関連資料の調査を行った。また、東日本大震災で被災した県内文化財の調査を行った。
美術
工芸
学芸嘱託員
美術工芸担当
瀬戸口 智恵
準備中
自然課
関連分野 職名・担当・氏名 調査研究内容
地学 特別研究員
岩石・鉱物担当
布川 嘉英
 栃木県内の岩石・鉱物資料収集を行った。
 県央丘陵・平野部学術総合調査の一環として、喜連川丘陵および平野部の火砕物分布調査を行った。前年度からの継続研究により、宇都宮市中里原の造成地に露出したローム層露頭について、9月に研究グループによる合同発表を行った。
日本地質学会第118年学術大会において、栃木の新第三系巡見案内を実施した。
地学 特別研究員
古生物担当
柏村 勇二
 栃木県内に分布する地層の調査や化石の採取を行った。
 県央丘陵・平野部学術総合調査の一環として、丘陵地やその周縁部の地質調査と化石採取を行った。宇都宮市平石の鬼怒川河床より、ほぼ全身の骨格を残した中新統のクジラ化石の発掘調査を行った。日本地質学会第118年学術大会において、那須烏山市および那珂川町より産出する第三紀貝類化石の産状や堆積構造を題材とした巡見案内を実施した。
地学 学芸嘱託員
地学担当
小暮 健太
 栃木県内の岩石・鉱物・化石資料収集を行った。
 県内の珪藻化石・珪藻標本についての調査、資料収集を行い、その成果を講座「ケイソウって何者?」として紹介した。
 宇都宮市平石の鬼怒川河床に出土した中新統のクジラ化石およびイルカ化石の発掘調査を行った。
植物 主任研究員
維管束植物担当
星 直斗
 栃木県内に分布する維管束植物について資料収集を行った。
 特に、栃木県高原山に分布するイラモミ群落の種組成と立地環境について考察する目的で植生調査を行った。また、県央丘陵・平野部学術総合調査の一環としてコウホネ類の分布調査を行い、得られた知見の一部について移動講座等で紹介した。
 この他、那須御用邸附属地内の澄空亭周辺において、主に樹木の年輪数についての調査を行い、当館研究紀要第29号に報告した。
 栃木県における絶滅のおそれのある維管束植物や植物群落の調査結果等について、テーマ展「だいじけ?故郷の自然」において展示と解説を通じて紹介した。
植物

特別研究員
維管束植物を
除く植物・菌類担当
富永 孝昭

 栃木県内の蘚苔類、藻類、真菌類、地衣類、変形菌類の資料収集を行った。
 平成23年度は蘚苔類の調査を重点的に行い、栃木県内の水中生蘚苔類の分布を詳細に調査を行い、ウキゴケ属の分類について研究した。水中生蘚苔類カワゴケの新産地について蘚苔類研究10(4)に、懸垂生蘚苔類イトゴケ類の新産地について当館研究紀要第29号にそれぞれ発表した。
植物

学芸嘱託員
植物・菌類担当
髙島 路久

 栃木県内の維管束植物の資料収集を行った。
 関本平八コレクション、およびその他の未整理標本の整理を行った。
 テーマ展「だいじけ?故郷の自然」では維管束植物分野の解説、展示を一部担当した。
 県内の植物相の調査では栃木市太平山に栃木県新産となるナガバノイタチシダを発見したので、当館研究紀要第29号に発表した。
動物 特別研究員
脊椎動物担当
林 光武
 栃木県内の哺乳類・鳥類・爬虫類・両生類・魚類の標本の収集・整理作業を行った。このなかでタヌキの白変個体が拾得されたため、本館研究紀要にその記録を報告した。また、調査ボランティアと共に、平野部を中心とする栃木県内の両生類・爬虫類の分布調査を行った。
 さらに、前年度に引き続き、宇都宮市においてトウキョウサンショウウオの保全対策の有効性検証調査をグリーントラストうつのみやなどと共同で実施した他、那須山地の沼原湿原の水量・積雪量の季節変化および両生類の生息状況の調査、高原山地の東荒川ダム公園における両生類の生息状況の長期的な変動調査、栃木県南部の水田地帯で分布を拡大しつつあるヌマガエルの生息状況調査を行った。また、カエル類の越冬場所調査を真岡市根本山自然観察センターと共同で実施した。
テーマ展「だいじけ?故郷の自然」において、哺乳類・鳥類・爬虫類・両生類・魚類について展示および解説を行った他、スロープ展示の「触れる展示」による哺乳類頭骨標本の破損状況について調査し、その結果を当館研究紀要第29号に報告した。
動物 主任研究員
無脊椎動物担当
高橋 保夫
 テーマ展「だいじけ?故郷の自然」では、淡水産貝類、甲殻類、陸産貝類、土壌動物の各分野について、展示および解説を行った。
 栃木県内の貝類、甲殻類等の資料収集を行った。
 県央丘陵・平野部学術総合調査の一環として、淡水生の貝類・甲殻類等の収集とデータ整理を行った。
 外来種タイワンシジミの急速な分布拡大と在来種マシジミの減少に注目しており、両種に関する調査・研究を進めている。
動物 研究員
昆虫担当
栗原 隆
 テーマ展「だいじけ?故郷の自然」では、昆虫分野の展示および解説を担当した。
 県央平野部学術総合調査では、宇都宮市周辺や太平山、唐沢山、岩舟山などでオサムシ調査を中心とした昆虫相の調査を行った。
 当館の収蔵資料については、日本産タマムシ科甲虫4,800頭以上のデータベース化を行い、その成果を収蔵資料として公表予定である。また、日本産のクワガタムシ科甲虫やカミキリムシ科甲虫についても順次、データベース化作業を進めている。
 県内の昆虫相の調査では、今まで記録の少なかったムツセモンササキリモドキやトドマツノキバチを採集することができたため、地域の同好会誌に報告を行った。
動物
学芸嘱託員
動物担当
渡部 末緯子
 栃木県内の哺乳類、鳥類の斃死体の収集を行い、骨格標本化の作業を行った。また、過去に収集され、冷凍保存されていた中大型哺乳類、鳥類の死体についても同様の処理を行った。
 スロープ展示の「触れる展示」による哺乳類頭骨標本の破損状況について調査し、その結果を当館研究紀要第29号に報告した。また、今年度拾得されたタヌキの白変個体の記録を同研究紀要に報告した。
動物
学芸嘱託員
動物担当
小田桐 亮

準備中