調査研究内容
栃木県立博物館 調査研究内容
学芸部長
関連分野 職名・担当・氏名 調査研究内容
考古 学芸部長
考古(古代)担当
上野 修一
 春季企画展「つくる、えがく、しるす-歴史からの贈り物-」では「原始・古代の造形」を担当し、埴輪などの優品を中心に展示した。市貝町において地域移動博物館「縄文時代のいちかい」を開催すると共に、移動講座を実施した。今年度は平成23年度秋に予定している岩手県博との共同企画展「土偶の世界―縄文人のこころ―」の開催準備として、資料の調査・研究及び写真撮影を全国的規模で行った。また、その成果を「日本の美術」や「考古学ジャーナル」などに寄稿した。
人文課

関連分野 職名・担当・氏名 調査研究内容
考古 特別研究員
考古(原始)担当
森嶋 秀一
 春季企画展「つくる、えがく、しるす-歴史からの贈り物-」では「原始・古代の造形」を担当し、石器や土器などの優品を中心に展示した。
 昨年度に続き、縄文時代の主要な石器石材であるホルンフェルスについて調べた。今年度は思川流域の各河川の露頭や転礫の状況について調査を実施した。この成果については研究紀要で報告した。
 前年度の発掘調査成果等について、夏季のテーマ展「巡回展栃木の遺跡」において発表した。なお、この展示はしもつけ風土記の丘資料館およびなす風土記の丘資料館との連携事業でもある。
デジタルコンテンツ作製の一環として、土器や土偶の3次元撮影を行った。完成は次年度だが、中間発表として上記企画展やテーマ展で成果の一部を展示した。
考古 学芸嘱託員
考古担当
津野田 陽介
準備中
歴史 人文課長
歴史(中世)担当
江田 郁夫
 春季企画展「つくる、えがく、しるす-歴史からの贈り物-」では、主担当として開催準備作業を進めるとともに、歴史部門(中世)の展示を担当した。また、テーマ展では「足利尊氏の末裔たち―鎌倉・古河公方と下野―」を開催した。
 調査研究では、ミュージアムカレッジ「足利尊氏の末裔たち」で尊氏の子孫である鎌倉・古河公方について報告したほか、講演会等においてこれまでの研究成果を「鎌倉幕府の滅亡と南北朝の動乱」「中世氏家氏の栄光と挫折」「関東八屋形長沼氏」の内容で報告した。ほかに、中世の茂木氏に関する論文を執筆した。
 くわえて本年度からは、平成24年度開催予定の「足利尊氏とゆかりの文化財」展(仮)の準備調査が本格化し、足利尊氏関連資料の調査を実施した。
歴史 主任
歴史(近世)担当
飯塚 真史
 準備中
歴史 主任研究員
歴史(近現代)担当
岸 明
 春季企画展「つくる、えがく、しるす-歴史からの贈り物-」にて近現代分野を担当した。関連行事として、会期中にオープニング講座・展示解説を行った。
 また、佐野中学校の総合の時間を利用して、「予は下野の百姓なり-田中正造の生涯-」と題して講演する機会を得た。
 冬季テーマ展「栃木の名所-印刷物などにみる栃木の観光地-」を実施した。県内各所の真景図や鳥瞰図、パンフレットやガイドマップに至るまで調査研究を行い、その成果を展示に反映した。関連行事として、会期中に展示解説及びミュージアムカレッジを開催した。
 他に、平成23年度、夏に高根沢歴史民俗資料館、秋に日光市歴史民俗資料館で開催される地域移動博物館「戦中・戦後のくらし」に関して、資料調査や展示資料の選定作業等を行っている。
民俗 特別研究員
民俗担当
篠﨑 茂雄
 春季企画展「つくる、えがく、しるす-歴史からの贈り物-」では、民俗部門の展示を担当し、石橋江戸神輿や鹿沼組子、結城紬など県内の代表的な手仕事を紹介した。テーマ展は夏に「栃木の平野の暮らし(稲作)」、冬に「おじいさんやおばあさんの子どものころの暮らし」を実施した。前者は米作りに使用した用具、後者は昭和初期頃の日常生活用具とおもちゃを展示したが、昨年度と同様に資料に直接触れることができる場(体験コーナー)を設け、会期中の1月~3月の毎週土曜日には、栃木県民話の会連絡協議会の協力で関連講座「おじいさんやおばあさんの民話語り」を行った。他に7月には県生産振興課の依頼を受けて県庁内展望ロビーで「野州麻」のパネル展示を2月には結城紬がユネスコ無形文化遺産になったのを記念して、県工業振興課との共催で特別企画「結城紬~伝統の技と美~」を実施した。高根沢町歴史民俗資料館では地域移動博物館「村のかじや」展を実施した。
 また緊急雇用創出事業を活用して、写真資料のデジタル化と那珂川の漁撈用具の整理及び実測図の作成を行った。那珂川の漁撈用具に関しては、今後も系統的に資料の収集を進め、その一部は平成23年度の春季企画展で紹介する予定である。さらに、ふるさと雇用再生特別基金事業を活用して、伝統工芸や伝統芸能、民話等民俗資料のデジタル化とデジタルコンテンツの作成を行った。今年度は、川俣のおこもり行事や葉タバコの栽培等をデジタル映像で記録したが、これらは編集したうえで、平成24年春に公開する予定である。
民俗 研究員
民俗担当
宮田 妙子
 春季企画展「つくる、えがく、しるす-歴史からの贈り物-」では、民俗部門展示「栃木ゆかりの手仕事」の内「願いを込めて」の章を担当し、祈願や風習に関連する手仕事を紹介した。テーマ展は、「くらしの中の装いとしぐさ」を主担当し、以上には関連して展示解説や講座を行なった。他、「栃木の平野の暮らし(稲作)」、「おじいさんやおばあさんの子どものころの暮らし」、特別企画「結城紬~伝統の技と美~」、その他の民俗分野の展示、講座、イベント等を副担当した。
 また、民俗資料のデジタル化及びデジタルコンテンツの作成においては、新たに「栃木県の民話」、「川俣の夏祭り」、「河井のササラ」、「耳うどん」の録音及び撮影・調査等を行ない、「葉煙草の生産」と「弥生祭」に関しては継続している。当事業は、引き続き来年度にも他の複数の項目について実施する予定で、その準備も進めている。
 調査・研究を継続してきた那珂川の漁撈用具に関しては、資料の収集も進めた。これらの成果の一部は、平成23年度春季企画展において紹介する予定である。
 なお、これまで収集・調査してきた当県内の辻や境に関連する事例をまとめ、考察し、「辻や境にまつわる観念についての予備的考察-特に栃木県内の事例から-」として当館研究紀要(人文)第28号に執筆した。
美術
工芸
主任研究員
美術工芸担当
本田 諭
 展示に関しては、春季企画展「つくる、えがく、しるす―歴史からの贈り物―」で、美術工芸部門展示「室町水墨画の世界」を担当した。テーマ展については、「下野の仏教美術」を主担当として、「もっと見せます! 狩野派」を副担当として開催した。前者については、会期中に関連講座および展示解説を行った。
 調査研究としては、展覧会図録の執筆のほか、当館研究紀要第28号に「椿椿山筆「日光道中真景図巻稿」について」を執筆した。県内の美術資料に関しては、前年度に引き続き、足利市教育委員会から委嘱を受け、市内所在寺院の文化財総合調査を行った。また、その他地域の寺院に関しても継続的に調査を進めた。さらに、平成24年度開催予定の開館30周年記念特別企画展に向け、足利尊氏及び足利氏関連資料の調査を行った。
美術
工芸
学芸嘱託員
美術工芸担当
瀬戸口 智恵
準備中
自然課
関連分野 職名・担当・氏名 調査研究内容
地学 特別研究員
岩石・鉱物担当
布川 嘉英
 栃木県内の岩石・鉱物資料収集を行った。
 県央丘陵・平野部学術総合調査の一環として、喜連川丘陵および平野部の火砕物分布調査を行った。宇都宮市中里原の造成地に露出したローム層露頭について調査を進め、2011年5月には研究グループによる合同発表を行う予定である。
栃木地学愛好会の旧鉱山調査をもとにテーマ展「栃木の鉱山と鉱物標本」を制作し、鉱床の形成様式を解説した。
地学 特別研究員
古生物担当
柏村 勇二
 栃木県内に分布する地層の調査や化石の採取を行った。
  県央丘陵・平野部学術総合調査の一環として、丘陵地やその周縁部の地質調査と化石採取を行った。那珂川町より産出する第三紀貝類化石の調査・研究を重点的に行った。化石産状や地層、堆積構造の調査などから、古環境の復元を試みた。産出化石については、層準に伴う組成変化に着目して研究を進めた。調査結果を博物館紀要で発表した。
地学 学芸嘱託員
地学担当
小暮 健太
 栃木県内の岩石・鉱物・化石資料収集を行った。
 布川特別研究員とともに、中里原のローム層露頭の調査を行い、地層はぎとり標本を作製した。
  県内の珪藻化石・珪藻標本についての調査、資料収集を行い、その成果を講座「ケイソウって何者?」として紹介した。
植物 主任研究員
維管束植物担当
星 直斗
 栃木県内に分布する維管束植物のうち、特に絶滅のおそれがある植物について、標本採集、文献収集、既存標本の閲覧(館外も含む)等を行った。具体的にはヒメミズニラ、クリヤマハハコ、デンジソウ、トウサワトラノオ、グンナイキンポウゲ等である。さらに日光市千手ヶ浜、西ノ湖、戦場ヶ原等において、絶滅のおそれのある森林群落の植生調査を行った。
 また県央丘陵・平野部学術総合調査の一環としてコウホネ類の分布調査を行い、得られた知見の一部について移動講座やシンポジウム等で発表した。
 この他、2009年に博物館紀要に報告した多気山持宝院境内の植物相・植生について、テーマ展「ちょっくら行ってみっか!ツツジの古賀志山と鎮守の森・多気山」や観察会「里山の春の草花を見てみよう」で紹介した。
植物

特別研究員
維管束植物を
除く植物・菌類担当
富永 孝昭

 栃木県内の蘚苔類、藻類、真菌類、地衣類、変形菌類の資料収集を行った。
 平成22年度は蘚苔類の調査を重点的に行い、栃木県内の閉鎖果蘚類、水中生蘚苔類の分布を詳細に調査を行い、ウキゴケ属の分類について研究した。最近10年間の栃木県新産大型菌類(キノコ)について博物館紀要に発表した。
植物

学芸嘱託員
植物・菌類担当
髙島 路久

 栃木県内の維管束植物の資料収集を行った。
 関本平八コレクション、およびその他の未整理標本の整理を行った。
 テーマ展「だいじけ?故郷の自然」では維管束植物分野の解説、展示を一部担当し た。
 県内の植物相の調査では栃木市太平山に栃木県新産となるナガバノイタチシダを発見 したので、博物館紀要に発表した。
動物 特別研究員
脊椎動物担当
林 光武
 栃木県内の哺乳類・鳥類・爬虫類・両生類・魚類の標本の収集・整理作業を行った。また、調査ボランティアと共に、平野部を中心とする栃木県内の両生類・爬虫類の分布調査を行った。
 さらに、前年度に引き続き、宇都宮市においてトウキョウサンショウウオの保全対策の有効性検証調査をグリーントラストうつのみやなどと共同で実施し、得られた知見の一部をテーマ展「トウキョウサンショウウオ」で紹介した。
 この他、那須山地の沼原湿原の水量・積雪量の季節変化および両生類の生息状況の調査、高原山地の東荒川ダム公園における両生類の生息状況の長期的な変動調査、栃木県南部の水田地帯で分布を拡大しつつあるヌマガエルの生息状況調査を前年度に引き続き行った。また、カエル類の越冬場所調査を真岡市根本山自然観察センターと共同で実施した。
那須山地の沼原湿原で確認されたニホンジカとイノシシの2007年以降の確認記録を研究紀要に報告した。
動物 主任研究員
無脊椎動物担当
高橋 保夫
 夏季企画展「節足動物の多様な世界」では総論を担当し、節足動物に近縁とされる動物、および節足動物内の系統に関する最新知見を紹介した。
 栃木県内の貝類、甲殻類等の資料収集を行った。
 県央丘陵・平野部学術総合調査の一環として、淡水生の貝類・甲殻類等の収集とデータ整理を行った。
 外来種タイワンシジミが近年急速に分布を広げているが、当該種は日本固有種マシジミと類似している。両種の判別を目的とした細胞遺伝学的研究を進めている。
動物 研究員
昆虫担当
栗原 隆
 テーマ展「だいじけ?故郷の自然」では、昆虫分野の展示および解説を担当した。
 県央平野部学術総合調査では、宇都宮市周辺や太平山、唐沢山、岩舟山などでオサム シ調査を中心とした昆虫相の調査を行った。
 当館の収蔵資料については、日本産タマムシ科甲虫4,800頭以上のデータベース化を行 い、その成果を収蔵資料として公表予定である。また、日本産のクワガタムシ科甲虫や カミキリムシ科甲虫についても順次、データベース化作業を進めている。
 県内の昆虫相の調査では、今まで記録の少なかったムツセモンササキリモドキやトド マツノキバチを採集することができたため、地域の同好会誌に報告を行った。
動物
学芸嘱託員
動物担当
渡部 末緯子
 栃木県内の哺乳類、鳥類の斃死体の収集を行い、骨格標本化の作業を行った。また、 過去に収集され、冷凍保存されていた中大型哺乳類、鳥類の死体についても同様の処理 を行った。
 館内の触れる頭骨展示における破損報告を博物館紀要に発表した。